60 歳の男性。内側型の変形性膝関節症に対して手術療法が行われた。術後のエックス…
60 歳の男性。内側型の変形性膝関節症に対して手術療法が行われた。術後のエックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。骨癒合を促進させるために最も優先度が高い治療法はどれか。
- ⑴ 温熱療法温熱療法は血流の改善や疼痛の緩和、軟部組織の伸張性向上を目的とします。骨癒合そのものを促進する作用は示されておらず、金属の固定材がある部位では注意も必要です。
- ⑵ 牽引療法牽引療法は脊椎や関節の除圧、筋の伸張を目的とします。骨を切って固定した部位に牽引力が加わると癒合を妨げるおそれがあり、この場面では選択されません。
- ⑶ 超音波療法低出力パルス超音波は骨折部や骨切り部の骨芽細胞を刺激し、骨癒合を促進する目的で用いられます。熱を発生させない条件で照射する点が他の物理療法と異なります。
- ⑷ 電気刺激療法電気刺激療法は主に筋力低下の予防や疼痛の緩和に用います。骨癒合を狙う電気刺激もありますが、術後の理学療法で優先されるのは超音波療法です。
- ⑸ 電磁波療法極超短波などの電磁波療法は深部を温める目的で用います。体内に金属の固定材がある部位では発熱の危険があり禁忌となりますので、この症例には適しません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。骨癒合の促進を目的とする物理療法としては、低出力パルス超音波を用いた超音波療法が最も適しています。内側型の変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術のように、意図的に骨を切って固定した部位では癒合の遅れが問題になりますが、超音波による微細な機械的刺激が骨芽細胞の働きを高め、癒合までの期間を短縮することが知られています。熱の発生を目的としない低出力の条件で用いることが要点です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成