50 歳の女性。2 日前に階段を下りた際に膝を捻った。その直後から左膝の痛みが続…
50 歳の女性。2 日前に階段を下りた際に膝を捻った。その直後から左膝の痛みが続いているため受診した。左膝内側および膝窩部に痛みがあり、McMurray テスト陽性であった。エックス線写真では明らかな異常所見を認めない。次に確認すべき検査はどれか。
- ⑴ 関節造影関節内に造影剤を注入する侵襲的な検査で、MRIが普及した現在では半月板損傷の第一選択にはなりません。感染や薬剤による副作用の危険も伴います。
- ⑵ CTCTは骨折や骨の形態評価には優れますが、半月板や靱帯などの軟部組織の描出能はMRIに劣ります。エックス線で骨に異常がない本例では追加の情報が得にくい検査です。
- ⑶ MRIMRIは半月板や靱帯、軟骨といった軟部組織を高いコントラストで描出でき、断裂の部位と形態まで確認できます。被曝もなく、半月板損傷を疑う場面の標準的な検査です。
- ⑷ PET〈positron emission tomography〉PETは腫瘍や炎症の代謝の活発さをみる検査で、主に悪性腫瘍の検索に用います。受傷の経過がはっきりした膝の外傷を調べる検査ではありません。
- ⑸ SPECT〈single-photon emission computed tomography〉SPECTは血流や骨代謝の分布をみる核医学検査です。被曝を伴ううえ解剖学的な分解能が低く、半月板の断裂の形態を確認する目的には適しません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。マックマレーテストが陽性で膝内側と膝窩部に痛みがあり、エックス線写真で骨に異常がないことから、半月板をはじめとする軟部組織の損傷が疑われます。MRIは軟部組織のコントラストに優れ、半月板の断裂の形態や十字靱帯、関節軟骨の状態を被曝なく評価できますので、次に行う検査として最も適しています。エックス線やCTは骨の評価には向きますが、半月板そのものを描出することはできません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成