65 歳の男性。入浴中、軽度の意識障害および左片麻痺が突然出現したため救急車で搬…
65 歳の男性。入浴中、軽度の意識障害および左片麻痺が突然出現したため救急車で搬送された。救急外来到着時の頭部単純CT(別冊No. 1)を別に示す。考えられるのはどれか。
- ⑴ 慢性硬膜下血腫慢性硬膜下血腫は軽い頭部外傷から数週間かけて症状が現れる疾患で、突然発症しません。CTでも脳表に沿った三日月型の貯留として写り、経過と所見が合いません。
- ⑵ くも膜下出血くも膜下出血は突然の激しい頭痛が主症状で、CTでは脳槽やシルビウス裂に沿って出血が広がります。片麻痺が前面に出ることは少なく、本例の経過とは異なります。
- ⑶ 脳梗塞発症直後の脳梗塞は単純CTにほとんど写らず、低吸収域がはっきりするのは数時間から1日後です。突然発症という点は合っても、到着時のCT所見としては合いません。
- ⑷ 脳挫傷脳挫傷は頭部外傷によって生じます。本例には転倒や打撲の記載がなく、外傷の経過がありませんので該当しません。
- ⑸ 脳出血入浴中の突然発症、意識障害、左片麻痺という経過と、到着時の単純CTで血腫が高吸収域として描出される所見が一致します。高血圧性の被殻出血が典型例です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。発症直後の頭部単純CTで高吸収域、つまり白く写る領域が確認できるのは出血した血液そのものが写るためで、入浴中に突然生じた意識障害と左片麻痺という経過からも脳出血が最も考えられます。左片麻痺ですので右の被殻付近の出血が典型です。脳梗塞は発症直後の単純CTではほとんど変化が写らないため区別できます。血圧の変動が引き金になりやすく、入浴中や排便時の発症が多い点も押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成