44 歳の女性。3 年前に全身型重症筋無力症と診断され、拡大胸腺摘出術を受けた。…
44 歳の女性。3 年前に全身型重症筋無力症と診断され、拡大胸腺摘出術を受けた。現在ステロイド内服治療を継続し、定期的に γ グロブリン大量静注療法を受けている。この患者の理学療法で正しいのはどれか。
- ⑴ 血清CK 値を指標に運動量を調整する。血清CK値は筋が壊れる筋原性疾患の指標で、この病気では上がりません。
- ⑵ 筋力増強には過用に注意し漸増負荷で実施する。易疲労性があるため、過用に注意して負荷を少しずつ増やしていきます。
- ⑶ 筋緊張亢進に対してボツリヌス毒素療法を考慮する。痙縮は伴わないため、ボツリヌス毒素療法の対象にはなりません。
- ⑷ クリーゼのときには閉塞性換気障害を念頭に入れる。クリーゼでは呼吸筋が弱って拘束性換気障害となります。
- ⑸ 体温上昇で神経症状が増悪するため環境温に注意する。体温上昇で症状が悪化するUhthoff現象は多発性硬化症でみられます。
解説
正解は⑵です。重症筋無力症では、神経筋接合部での伝達が妨げられるため、同じ動作を繰り返すほど力が出なくなる易疲労性が現れます。そのため筋力増強運動は過用に注意しながら、負荷を少しずつ増やす漸増負荷で慎重に進めます。血清CK値は筋そのものが壊れる筋原性疾患の指標で、この病気では上がりません。痙縮は伴わないためボツリヌス毒素療法の対象にならず、クリーゼでは拘束性換気障害を考えます。体温上昇で悪化するのは多発性硬化症です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-08_09.html)を加工して作成