可能性が高い疾患はどれか。
次の文により、 6 、 7 の問いに答えよ。75 歳の男性。一人暮らし。歩行時のふらつきを主訴に来院した。以前から食事が不規則で、5 日前から食事を摂らなくなった。上肢に明らかな異常はないが、下肢筋力はMMT4レベルで、下肢遠位優位のしびれ感がある。膝蓋腱反射は亢進しているが、アキレス腱反射は低下し、Babinski 反射は陽性だった。眼振は認めない。血清ビタミンB12 の低下を認めた。重心動揺検査結果(別冊No. 3)を別に示す。
可能性が高い疾患はどれか。
- ⑴ 皮膚筋炎皮膚筋炎は近位筋の筋力低下と特徴的な皮疹を示し、この所見とは異なります。
- ⑵ Shy-Drager 症候群Shy-Drager症候群は起立性低血圧などの自律神経障害が前面に出ます。
- ⑶ 筋萎縮性側索硬化症筋萎縮性側索硬化症では感覚障害を伴わないのが原則です。
- ⑷ ポストポリオ症候群ポストポリオ症候群はポリオの既往が前提となります。
- ⑸ 亜急性連合性脊髄変性症ビタミンB12の低下を背景に、後索と側索がともに侵される病態です。
解説
正解は⑸です。食事が不規則でビタミンB12が低下しており、下肢遠位優位のしびれとともに、膝蓋腱反射の亢進とBabinski反射の陽性という錐体路の徴候と、アキレス腱反射の低下という末梢神経の徴候が同時に見られます。脊髄の後索と側索がともに侵される亜急性連合性脊髄変性症の典型的な所見です。皮膚筋炎は筋症状と皮疹、Shy-Drager症候群は自律神経障害、筋萎縮性側索硬化症は感覚障害を伴わず、ポストポリオ症候群は既往が前提になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-08_09.html)を加工して作成