42 歳の女性。3 か月前に手足がしびれるようになり、1 か月前から手足の脱力を…
42 歳の女性。3 か月前に手足がしびれるようになり、1 か月前から手足の脱力を自覚した。神経内科を受診し慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーと診断され、ステロイド療法が開始された。筋電図検査所見として正しいのはどれか。
- ⑴ 誘発筋電図で伝導速度が低下する。髄鞘が壊れて跳躍伝導ができなくなるため、神経伝導速度が低下します。
- ⑵ 誘発筋電図でF 波の潜時が短縮する。近位部の伝導も悪くなるため、F波の潜時はむしろ延長します。
- ⑶ 針筋電図で低振幅・短持続電位波形が出現する。低振幅・短持続の電位は筋原性の障害でみられる所見です。
- ⑷ 誘発筋電図の反復刺激試験でwaning(M 波の振幅が漸減)を認める。waningは重症筋無力症など神経筋接合部の障害でみられます。
- ⑸ 誘発筋電図の反復刺激試験でwaxing(M 波の振幅が漸増)を認める。waxingはLambert-Eaton症候群でみられる所見です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、末梢神経の髄鞘が壊れる病気です。髄鞘は跳躍伝導によって信号を速く伝える役割を担っているため、これが失われると神経伝導速度が低下します。近位部の伝導も悪くなるのでF波の潜時はむしろ延長します。針筋電図で低振幅・短持続の電位が出るのは筋原性の障害、反復刺激試験のwaningは重症筋無力症、waxingはLambert-Eaton症候群で見られる所見で、いずれも別の病態です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-08_09.html)を加工して作成