問1 文章中の空欄 ア と イ に入る語句の正しい組合せを,次の1 ~4 のうち…
生態系とその保全に関して,科学的に探究した。問1 と問2 に答えよ。 アユムとミライがナラ枯れについて考えている場面 アユム:最近,公園の通路に木の枝が落ちていることが多いんだ(図1 )。 図1 図2 ミライ:これは,きっとナラ枯れだね。ナラ枯れは,カシノナガキクイムシ(図2 )が木 に入り込むことで発生するんだ。カシノナガキクイムシが媒介する「ナラ菌」が 樹体内に拡がることにより,水の通りが阻害され枯死に至るんだって。 アユム:ナラ枯れの被害が今後どうなっていくのか心配だから調べてみよう。 ― 数日後― アユム:ノート(図3 )にまとめてみたけど,1980 年以降の拡大の原因が分からないんだ。 ナラ枯れの被害が確認されたのは,1930 年代から。1930 年から1980 年のナラ枯れ の被害は,比較的短期間で終息し,広域への拡大は見られなかった。1980 年以降 は広域への拡大が見られ,ここ数年の被害を表1 に示す。 表1 神奈川県のナラ枯れ被害推移※ 年 被害本数(本) 1,392 1,844 19,694 28,991 22,789 ※(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/30599/naragaresuii_2306 より作成) 図3 ミライ:ナラ枯れしている木の代表は,コナラやクヌギで ア に多く見られる樹種 だよね。燃料の主役が,化石燃料へと変わったことで伐採されなくなったこと が原因らしいよ。 アユム:伐採されないとナラ枯れの拡大が見られるということは,若い樹木は病気への 抵抗性や回復力があり,年老いた樹木は病気になりやすいって考えられるよね。 ミライ:もしそうだとすれば, イ はナラ枯れの予防になりそうだよね。 アユム:うん。それと,被害推移(表1 )を見て気付いたんだけど,2017 年から2022 年 のうちで,2021 年まではナラ枯れの被害は増加してきたけど,2022 年にやや 減少したと言えるよね。これは抵抗性をもった若い樹木が ウ いるからだ と言えるんじゃないかな。 ミライ:そうとも考えられるけど エ とも考えられるよね。
問1 文章中の空欄 ア と イ に入る語句の正しい組合せを,次の1 ~4 のうちから 一つ選べ。
- 1 ア:雑木林や里山 イ:人の手を入れず,自然な状態を保つことアは正しいのですが、伐採されなくなったことが原因なので、手を入れないままでは解決しません。
- 2 ア:雑木林や里山 イ:定期的な伐採をしていくことコナラやクヌギは里山の樹種で、若い木に入れ替える定期的な伐採が対策になります。
- 3 ア:海岸 イ:人の手を入れず,自然な状態を保つことアもイも誤りです。コナラやクヌギは海岸ではなく里山に多く、放置は対策になりません。
- 4 ア:海岸 イ:定期的な伐採をしていくことイは正しいのですが、海岸に多いのはクロマツなどで、コナラやクヌギではありません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は2です。アには雑木林や里山が入ります。コナラやクヌギは、かつて薪や炭の材料として人々が利用してきた樹種で、集落の近くの雑木林や里山に多く見られます。海岸に多いのはクロマツなどです。イには定期的な伐採をしていくことが入ります。燃料が化石燃料に変わって伐採されなくなり、木が年老いたことがナラ枯れの拡大につながったのですから、以前のように定期的に伐採して若い木に入れ替えることが対策になります。里山は人の手が入ることで保たれてきた環境です。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00013.htm)を加工して作成