問5 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はヘルパーT 細胞に感染し,平均10 年間の…
生物の体内環境について,問1 ~問5 に答えよ。
問5 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はヘルパーT 細胞に感染し,平均10 年間の潜伏期間は無症 状であるが,その後エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症する。エイズに関する正しい文章 を,次の1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 体液性免疫にはヘルパーT 細胞は関与しないため,B 細胞は感染前と同じく正常に働く。ヘルパーT細胞は体液性免疫にも関わるので、B細胞も正常には働けなくなります。
- 2 HIV に感染したヘルパーT 細胞は破壊され,獲得免疫(適応免疫)が正常に働かなくなり,健康な状態では発症しない感染症でも重症化しやすくなる。ヘルパーT細胞が失われ、獲得免疫が働かなくなることが、エイズの特徴です。
- 3 HIV に感染したヘルパーT 細胞は,全てキラーT 細胞に変化する。感染したヘルパーT細胞が、すべてキラーT細胞に変化することはありません。
- 4 HIV に感染したヘルパーT 細胞が,自己組織を攻撃するようになる。自己の組織を攻撃するのは自己免疫疾患で、エイズのしくみとは異なります。
解説
正解は2です。ヘルパーT細胞は、B細胞に抗体をつくらせる体液性免疫でも、キラーT細胞を活性化する細胞性免疫でも、司令塔としてはたらきます。HIVがこのヘルパーT細胞に感染して破壊すると、獲得免疫(適応免疫)が正常に働かなくなります。その結果、健康なときには発症しない病原体による感染症でも重症化しやすくなります。これを日和見感染といいます。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00010.htm)を加工して作成