問7 下線部分人々の支持に関連して,次の資料5 ・6 は満洲事変に関するものであ…
次のⅠ・Ⅱについて,後にある問1 ~問8 に答えよ。 Ⅰ 生徒と先生が,家系図を見ながら会話している。 先 生: 第一次世界大戦時の国際関係について,家系図から何か気づくことはありますか。 家系図(斜体は女性) フリードリヒ3 世 アレクサンドル3 世 エドワード7 世 ヴィクトリア アレクサンドラ マリア ヴィクトリア女王 クリスティアン9 世 [デンマーク] ヴィルヘルム2 世 [ドイツ] ジョージ5 世 [イギリス] ニコライ2 世 [ロシア] イツキ: ヴィルヘルム2 世,ジョージ5 世,ニコライ2 世は第一次世界大戦時の君主ですよ ね。第一次世界大戦の時には, A のですね。 先 生: そうですね。もともとヨーロッパ諸国の王室は,国を越えての姻戚関係にありました。 アオイ: なるほど。ところで第一次世界大戦の犠牲者数は,それまでの戦争に比べてとても 多かったそうです。これはなぜでしょうか。 イツキ: 参戦国が多いことや, B こともそうですが,主要参戦国の他にその 植民地や自治領の人々も大量に動員され,犠牲となったからではないでしょうか。 先 生: 良いところに着目しましたね。植民地などから兵士が動員されたかどうかや,その 犠牲について,次の時間に検証してみましょう。 アオイ: 第一次世界大戦後,世界はどう変わったのでしょうか。 先 生: 戦後に新しい体制づくりが目指されたものの,世界恐慌によって世界の経済は混乱 しました。 イツキ: そして各国は生き残りを図るために,国家間の競合がいっそう激しくなり,第二次 世界大戦へとつながってしまったのですね。 ⒜ ⒝ ⒞ ⒟ 以上の兵士を送ると約束した。それを 守るために君たちの助けが必要だ」と 訴えるポスター ロンドン海軍軍備制限条約で定められた 補助艦の保有量の上限 Ⅱ イツキさんは,大衆社会をテーマに次のレポートを作成した。 レポート 出版物や宣伝が大衆に与えた影響は大きい。資料3 は1913 年に日本で描かれた風刺画 で,一番右の店には人が集まらず,警官が無理矢理人を引き込もうとしているように見え る。これは, C のようすを表した風刺画で,「名ばかりの『立憲』をかかげ ている」として当時の政府を批判している。 ドイツでは,ヒトラー率いるナチ党が宣伝・広告に力を入れ,積極的な失業者対策など をアピールしつつ,人々の支持を集めていった。資料4 からは, D ことが わかる。ヒトラーが首相となった1933 年には,ヒトラーの演説が頻繁にラジオから流 れ,巧妙な大衆宣伝で人心をとらえる一方で,大衆操作が行われた。 大衆社会のあり方は今日においても大きな課題といえるだろう。 資料3 各政糖(党)が「立憲政治」の本家争いをしている場面を描いた風刺画 立憲国民党を 表す看板 立憲政友会を 表す看板 長州藩出身の当時 の首相が結成予定 だった政党を表す 看板 資料4 失業率の変化 (%) 38(年) アメリカ合衆国 日本 イギリス ⒠ ⒡
問7 下線部分人々の支持に関連して,次の資料5 ・6 は満洲事変に関するものである。これら の資料から読み取れることとして最も適切なものを,下の1 ~4 のうちから一つ選べ。
資料5 満洲事変に対する日本のメディアの共同声明(意訳してある) 満洲の政治的安定は,極東の平和を維持するための絶対条件である。そのため,満洲国 の独立とその健全なる発達とは,満洲を安定させるための唯一の道なのである。…日本 が,国民を挙げて満洲国を支援する決意をしたことは,当然のことである。いや,日本 のみならず,真に世界の平和を希求する文明諸国は,ひとしく満洲国を承認し,かつそ の成長に協力する義務があるといっても過言ではない。 (『東京朝日新聞』1932 年12 月19 日より作成) 資料6 東京帝国大学の学生に対し,満洲事変直前に日本の武力行使 について聞いたアンケート(1931 年7 月,意訳してある) 質問 「満蒙(注)への武力行使は正当であるか」 回答 回答の割合 正当である 88 % 直ちに武力行使すべし 52 % 外交手段を尽くした後に武力行使すべし 36 % 正当でない 12 % (注) 満洲と内モンゴル (竹内洋『丸山眞男の時代』より作成)
- 1 メディアは日本の武力行使を正当化したが,資料6 で回答した東京帝国大学の学生の過半数は,まず外交手段を尽くすべきだと考えていた。外交手段を尽くすべきという回答は36%で、過半数ではありません。
- 2 メディアは日本の武力行使を正当化し,資料6 で回答した東京帝国大学の学生の過半数も,積極的に武力行使を行うべきだと考えていた。メディアは正当化し、学生も52%が直ちに武力行使すべしと答えています。
- 3 メディアは日本の武力行使に批判的であり,資料6 で回答した東京帝国大学の学生の過半数も,まず外交手段を尽くすべきだと考えていた。資料5のメディアは武力行使に批判的ではありません。
- 4 メディアは日本の武力行使に批判的だったが,資料6 で回答した東京帝国大学の学生の過半数は,積極的に武力行使を行うべきだと考えていた。学生の回答は正しいものの、メディアは批判的ではありません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は2です。資料5でメディアは、満洲国の独立を支援する日本の決意を当然のことだと述べており、武力行使を正当化しています。また資料6では、武力行使は正当であると答えた学生が88%に達し、そのうち直ちに武力行使すべしが52%と過半数を占めています。つまりメディアも学生の多数も、積極的な武力行使を支持していたことが読み取れます。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成