問4 発表原稿1 と会話文の内容を踏まえ,会話文中の D , E にあてはまるも…
生徒たちは,「公共」の学習のはじまりとして,「公共的な空間」をつくる私たちの生き方や考え 方について学んでいる。問1 ~問5 に答えよ。 1 先生と生徒たちは,「公共」の授業で「公共的な空間としての公園」というテーマでの発表に向 けてグループで会話している。 資料1 公園を設置する目的 公園を設置する目的は,次の⑴~⑷に分類される。 (資料2 ,資料3 ともに内閣府『令和4 年版高齢社会白書』により作成) 会話文 先 生:日本における世代間の問題にはどのようなものがありますか。 生徒X:私は,選挙に関する問題があると思います。資料2 ,資料3 を見ると,今後,若者の 意見が政治に反映されにくくなる可能性があります。 生徒Y:私は,社会保障費の問題が真っ先に浮かびます。私たちが高齢者になったらちゃんと 年金がもらえるのか不安です。 先 生:かつて B は,自分の地位や資格,才能等の個人的な事実を知らない状態を「無 知のヴェール」という言葉で表し,そのような境遇において,最も不利な状況にある 人々の利益を最大化するためなら不平等でも容認されると主張しました。この言葉を 世代間の問題に応用するとどうなりますか。 生徒X:私なら,「自分がどの世代に生まれるか分からないとき,人は最も不幸な世代に生ま れることを恐れ,そうした世代の負担を減らす仕組みに賛成する」と解釈します。将 来世代の意見を反映させる政策として C 政策が考えられますね。 生徒Y:平等選挙などの選挙における四つの原則があることを踏まえると,今後の選挙のあり 方について全世代で考えていかなければならないですね。 をもとに会話している。 発表原稿1 皆さん左のイラストを見て下さい。国内のあるマンションが 引き渡し直前で解体されることが決定しました。マンションの 建設や販売を手掛ける不動産会社や建設会社は,二度の設計 変更を実施しましたが,事業中止,最終的には解体に踏み 切ったそうです。私もマンションに住んでいるので,今回の ニュースがとても気になり,授業でぜひ取り上げたいと思いま した。皆さんはどのような理由で解体になったと思いますか。 会話文 先 生:早速,今回のニュースについて考えていきましょう。 生徒X:今回は,近隣の住民がマンション建設に反対していたと聞いたよ。憲法第13 条で保 障されている D などを根拠に,人間がより良い環境で生きる権利が主張されて いるね。 生徒Y:となると,近隣の住民の人権がこのマンションの解体に関わっているということだね。 生徒X:そうだね。今回は特にこのマンションの高さという点が問題になったのだと思う。 生徒Y:過去にもこの街では,並木の大通りに面したマンションが景観を損ねるとして,マン ションの20 メートル超の部分撤去命令が出されたと聞いたよ。 D の視点から も今回の解体は, E などの理由が予想されるね。 生徒X:憲法第13 条の中に⒝新しい人権がどこまで含まれるのかというのも興味深いね。 生徒Y:確かに。他にも判例がないか調べてみることにしよう。
問4 発表原稿1 と会話文の内容を踏まえ,会話文中の D , E にあてはまるものの 組合せとして適切なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 D:生存権 E:建設資材の価格高騰によって建設会社の採算がとれなくなる生存権は第25条で、また採算は人権の視点からの理由になりません。
- 2 D:生存権 E:マンションの建設によって周辺の景観が損なわれてしまう理由は正しいものの、第13条が定めているのは幸福追求権です。
- 3 D:幸福追求権 E:建設資材の価格高騰によって建設会社の採算がとれなくなる権利は正しいものの、採算は人権の視点からの理由ではありません。
- 4 D:幸福追求権 E:マンションの建設によって周辺の景観が損なわれてしまう第13条の幸福追求権を根拠に、景観が損なわれることが理由になります。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は4です。憲法第13条は個人の尊重と幸福追求権を定めており、環境権のような新しい人権はここを根拠に主張されています。生存権は第25条なので当てはまりません。またこの街ではマンションが景観を損ねるとして部分撤去命令が出た例があるので、Eには景観が損なわれるという理由が入ります。建設会社の採算は人権の視点からの理由にはなりません。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00018.htm)を加工して作成