問4 次の文章は,生徒Zが学習成果発表会で行ったプレゼンテーションの一部と,出席…
生徒たちは「公共」の学習のまとめとして,持続可能な社会の形成に関する課題を探究してい る。問1 ~問4 に答えよ。 1 生徒たちが,探究の「問い」をめぐって会話している。 会話文 生徒W:持続可能な社会をつくるために,地球温暖化を防ぐ方法を考えていきたいな。 生徒X:私は,企業の社会的責任を学んだときに,二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす企業の 取組みについて調べたよ。 生徒Y:国際政治を学んだときにも話題にでたよ。地球温暖化を防ぐためには早期に二酸化炭 素排出量を減らす必要があるね。 生徒W:排出削減に積極的な国ばかりではないから,国際社会で話し合って,排出削減を義務 づけることが必要じゃないかな。私は,二酸化炭素排出量が多い国ほど削減義務を重 くするのがいいと思う。その決め方なら基準が明確で,各国も納得できると思うんだ。 生徒X:いや,人口が多い国は排出量が多くなりやすいから,二酸化炭素の国別排出量を各国 の人口で割って,各国の削減義務を決めた方がいいよ。だから, A を参考にし て二酸化炭素排出量の削減義務を考えるべきだと思うな。 生徒W:そうかな。地球温暖化を防ぐには,何よりも排出量を減らすことが求められるから, 排出量が多い国ほど二酸化炭素を減らす義務を負うべきだよ。 生徒Y:二人の考え方はどちらも理解できるけれど,現在は,各国が自ら削減目標を示すよう になって,国々が協力して排出削減に取り組みやすい環境が整ってきたんだ。 生徒W:そういえば,持続可能な開発目標(SDGs)でも,気候変動に対して具体的な対策をと ることが目標になっているね。その達成に向けて,私たちにできることは何だろうか。 生徒X:国ごとに生活や産業が異なるよね。それを踏まえて私たちにできることを考えよう。 生徒Y:じゃあ,⒜主要国の二酸化炭素排出について部門別に比較した資料を分析するのはど うかな。 生徒W:賛成。Yさんが示した資料を分析して「問い」を立てよう。 公共
問4 次の文章は,生徒Zが学習成果発表会で行ったプレゼンテーションの一部と,出席者から の意見である。プレゼンテーション中の D にあてはまる文として適切なものを,下の 1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 法による厳格な規制を強化し,CO2 の排出基準を一律に定め,違反する企業に対して企業名を公表するペナルティを課す企業名公表というペナルティを伴う法規制は、政府の収入につながる仕組みではなく、出席者が述べる「政府が収入を得る」という指摘とは合いません。
- 2 炭素税を導入し,CO2 の排出をもたらす燃料や電気の使用に対して,その量に比例した課税を行う炭素税は、CO2を排出する者に費用を負担させて外部不経済を内部化し、既存の税制度を活用しつつ政府の収入にもなる一方、一律の負担が中小企業を圧迫しうる仕組みです。
- 3 排出量取引制度を導入し,企業ごとにCO2 の排出量の上限を決め,排出量が上限を上回る企業と下回る企業との間で排出枠の売買をする排出量取引制度は企業間で排出枠を売買する仕組みで、既存の税の仕組みを活用して政府が収入を得るという指摘とは異なる制度です。
- 4 自主的な取組みによるCO2 削減を認め,生産方法や原材料,技術,設備等の実情に基自主的な取組みを認める方式は、経済的な負担や政府の収入につながる強い仕組みではなく、出席者が述べる経済的インセンティブの明確化とは合いません。
解説
正解は2です。出席者の意見は、CO2を排出する者に費用を負担させて外部不経済を内部化する仕組みであること、既存の税の仕組みを活用でき実現可能性が高く政府の収入にもなること、そして負担が一律にかかるため中小企業の経営を圧迫しかねないことを指摘しています。これらはいずれもCO2の排出量に応じて課税する炭素税の特徴と一致します。法規制や排出量取引、自主的な取組みは、政府の税収確保や負担の一律性といった点で、出席者の意見が示す特徴とは合いません。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成