問3 下線部分⒞若い世代の投票の判断基準に関連して,生徒Yのグループは次の表3 …
「公共」の授業で「主権者として私たちはなにができるか」というテーマで学習している。次の会 話文を読んで,問1 ~問5 に答えよ。 会話文 先 生:今日は,国政選挙の様々な課題を考えていきましょう。まずは,皆さんに予習課題とし て集めてもらった⒜選挙に関する年代別意識調査に関わる諸データを,クラス全体で共 有していきましょう。どのような情報を集めてきましたか。 生徒Ⅹ:なぜ投票する権利をもっていながら棄権する人がいるのか疑問に思ったので,年代別の 棄権理由に関するデータを見つけてきました。 生徒Y:私は,年代別に関心のある政策分野が異なるはずだと思ったので,そのことを裏付ける データを探してきました。 先 生:情報を集めるなかで,なにか疑問がわいてきた人はいますか。 生徒Ⅹ:なぜ日本が衆議院と参議院でそれぞれ異なる⒝選挙制度を採用しているのか疑問に思い ました。さらに他国の選挙制度についても調べてみたいと思いました。 生徒Y:私は,調べていくなかでどの政党や候補者を支持しようか迷いました。⒞若い世代の投 票の判断基準にはどのようなものがあるのでしょうか。 先 生:非常に良い疑問なので各グループで考えてみましょうか。 ~グループでの話し合い終了後~ 生徒Z:先生,授業を通じて投票の大切さや誰に投票するかをしっかりと考えることの大切さは 実感できましたが,国政はまだまだ私たちからは遠い世界の出来事のような気がしま す。 先 生:なるほど。しかし,国政だけが政治ではありません。イギリスの政治学者ブライスが ⒟「地方自治は民主主義の学校」と言ったように,私たちも身近なところから政治参加で きるかもしれませんね。 生徒Y:⒠私たちができる政治参加にはどんなことがあるのか,考えていきたいです。
問3 下線部分⒞若い世代の投票の判断基準に関連して,生徒Yのグループは次の表3 をもとに 会話している。会話文中の A , B , C にあてはまるものの組合せとして 最も適切なものを,次のページの1 ~4 のうちから一つ選べ。
表3 「あなたは,政党や候補者をどのような基準で選びましたか」への 18~20 歳の回答(単一回答) (総務省「18 歳選挙権に関する意識調査(平成28 年12 月)」により作成) 会話文 生徒Y:表3 を見ると,回答者の3 分の1 程度が「自分の考えに近い政策を訴えていたか」と いうことを一つの基準として判断していることがわかるよ。 生徒V:一方で,「基準など設けないで直感で選んだ」や「テレビや新聞・雑誌などで親しみ がもてたか」で判断している, A も一定程度いることがわかるね。 生徒W:私も政策を選ぶ際にどのように考えればよいのかわからないです。 先 生:Wさんは今,どんなことに関心をもっていますか。 生徒W:私は最近,進学した際にかかる経済的な負担についてニュースで見聞きすることが 増え,関心をもつようになりました。 先 生:なるほど。それでは,最近よく話題にあがる「高等教育の修学支援制度」を題材とし て考えてみましょうか。この制度は,授業料や入学金の免除または減額を行った り,返還を要しない給付型奨学金を拡充したりすることで,高等教育機関で学ぶ意 欲のある学生を支援するために作られました。この制度を題材としながら,以前に 学習した選択・判断の手掛かりとなる「幸福」と「公正」の考え方を使って判断する練 習をしてみましょうか。 生徒W:先生,「幸福」と「公正」がどのような考え方だったのか忘れてしまいました。 先 生:では,復習しましょう。具体的な問題を考えながら理解が深まっていけばよいです からね。「幸福」に関しては,「行為の結果として最も多くの人が最も多くの幸せを 手に入れられるようにすべき」という考え方がありましたね。一方で「公正」に関し ては,「人々の間の不平等が許されるのは誰もが機会を保障されているなかで,最 も不利な立場の人により多くの利益がもたらされるような場合だけだ」という考え 方がありましたね。今回はこの定義に基づいて先ほどの政策を判断してみると,ど のような意見になると思いますか。 生徒Y:私は B という意見は「幸福」に基づいて考えていると思います。 生徒V:私は C という意見は「公正」に基づいて考えていると思います。 生徒W:なるほど。こうした判断の基準となる考え方を使う練習を繰り返していくと,自分 なりの考えや価値観を築いていけそうです。 A にあてはまる選択肢 ア 自分の政治についての価値観や考え方に一致するかどうかを吟味して選択する人 イ 何かに照らし合わせて考えるというよりも人柄や雰囲気で選択する人 B , C にあてはまる選択肢 ウ 経済的な理由で高等教育機関への進学を断念しなければならない人がいることは社会的 に望ましい状況ではなく,そうした人々の状況を改善し,高等教育を受ける機会を均等に するためにも修学支援制度を手厚くすべきだ エ 様々な経済状況にある人も高等教育機関で学びやすくなり,高等教育を受けられる人が その分増えることによって,社会全体の満足度が向上すると考えられるため,修学支援制 度を充実させるべきだ
| ①自分の考えに近い政策を訴えていたか | 34.2 % |
|---|---|
| ②家族や知人の評価 | 14.0 % |
| ③基準など設けないで直感で選んだ | 13.5 % |
| ④テレビや新聞・雑誌などで親しみがもてたか | 9.3 % |
| ⑤自分と同じような世代のことを特に考えていたか | 8.8 % |
| ⑥わかりやすく政策を訴えていたか | 8.4 % |
| ⑦わからない | 7.2 % |
| ⑧その他 | 4.6 % |
- 1 A:ア B:ウ C:エBとCの割り当てが逆であり、またAの説明も当てはまりません。
- 2 A:ア B:エ C:ウBとCは正しいものの、Aは人柄や雰囲気で選ぶイになります。
- 3 A:イ B:ウ C:エAは正しいものの、幸福に基づくのは社会全体の満足を理由にするエです。
- 4 A:イ B:エ C:ウAはイ、社会全体の満足を理由にするエが幸福、機会の均等を理由にするウが公正です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。表はこのページに組み直して載せています。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は4です。Aは、何かに照らして考えるのではなく人柄や雰囲気で選ぶという内容なので、イが当てはまります。Bの幸福に基づく考え方は、結果として多くの人の満足が高まることを理由にしているエです。Cの公正に基づく考え方は、最も不利な立場の人の状況を改善し機会を均等にすることを理由にしているウになります。理由づけがどちらの原理によるものかを見分けることが要になります。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成