問3 会話文中のカードA,カードB,カードC,カードDのうち,生徒Xと同様の立場…
生徒たちは,「公共」の学習の始まりとして,「公共的な空間」をつくる私たちの生き方や考え方 について学んでいる。問1 ~問5 に答えよ。 1 生徒Xと生徒Yが,「公共」の授業のあとに会話している。 会話文 生徒X:今日の授業では,青年期のことを学習したね。 生徒Y:そうだったね。最近,⒜人間関係をどう構築していけばよいか思い悩んでしまうとき があるんだけど,そういう悩みが自我の形成につながると聞いて,少し安心したよ。 生徒X:そうなんだ。実は最近,自信をなくしているんだよね。スポーツや勉強も,まわりの 友達の方ができる気がして。「自分は何をやってもダメだなぁ」って感じてしまう。授 業の感想にも書いたんだけど,自分が⒝生きる意味って何だろうと考えてしまうとき があるんだ。 生徒Y:うーん,難しい。答えはあるのかなぁ。次回の授業のテーマは,「古今東西の先哲の 思想を手がかりに,人間としての生き方を考えよう」だから,何かヒントになること があるといいよね。 先 生:今日の授業では,みなさんの学校がある市で計画が進んでいる新しい道路建設をめぐ る様々な意見を取り上げます。それぞれの意見の背後には,考え方の違いがありま す。二人に,意見を述べてもらいましょう。 生徒X:私は,ある行為の結果が人々の幸福の総量を増すかどうかが,その行為の正しさを判 断する決め手になると考えます。今回,新しい道路を作ることで,市内の渋滞が解消 されます。そのため多数の人の通勤・通学の時間が短縮され,自分の好きなことをす るのに使える時間が増えます。新しい道路を作ることは,このように多数の人に幸福 をもたらすので賛成です。 生徒Y:行為の動機となる公正を重視する私の立場からみると,幸福の総量が増すだけでは, 新しい道路建設計画をめぐる議論には不十分だと思います。新しい道路を作ることに よる効果を考える前に,この道路建設計画が公正という考え方にのっとっているかど うかを,私たちは慎重に検討する必要があると思います。 先 生:次に,他の人が書いたカードを紹介します。 カードA 新しい道路を作ることで,今住んでいる場所 から立ち退きをしなければならない人がでて くる。そういった不利な立場にある人のこと を考慮しなければならない。 カードB いったん今の自分の立場を離れる必要があ る。そして,自分がどんな立場であったとし ても納得できるような適正な判断をするべき だ。 カードC 新しい道路を作ることによる環境悪化の影響 を,道路周辺の住民のみが被るのは公平では ない。よりよい環境で生活をすることは,誰 にとっても実現することが望ましい。 カードD 市の調査では,住民の70 %が新しい道路建 設計画に賛成している。このことは,新しい 道路を作ることによって生じる不利益より, 利益が大きいことの一つの根拠となる。 先 生:様々な意見の背後にある考え方を吟味することが大切ですね。では,それぞれの考え 方をみんなで検討していきましょう。
問3 会話文中のカードA,カードB,カードC,カードDのうち,生徒Xと同様の立場の考え 方として適切なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 カードA不利な立場の人への配慮を述べており、公正を重んじる立場です。
- 2 カードB自分の立場を離れて判断するという、公正を重んじる考え方です。
- 3 カードC負担の偏りを問題にしており、公平さを重んじる立場です。
- 4 カードD利益と不利益の大きさを比べる、幸福の総量に着目した考え方です。
解説
正解は4です。生徒Xは、行為の結果が人々の幸福の総量を増すかどうかで正しさを判断するという立場に立っています。カードDは、住民の70%が賛成していることを根拠に、不利益より利益が大きいと述べており、同じ考え方にもとづいています。カードA・B・Cは、不利な立場の人への配慮や公正さを重んじる生徒Yの立場に近い内容です。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00013.htm)を加工して作成