ソクマル高卒認定(公共)

問2 下線部分⒝生きる意味に関連して,次の資料1 は,授業の中で先生が生徒に提示…

生徒たちは,「公共」の学習の始まりとして,「公共的な空間」をつくる私たちの生き方や考え方 について学んでいる。問1 ~問5 に答えよ。 1  生徒Xと生徒Yが,「公共」の授業のあとに会話している。 会話文 生徒X:今日の授業では,青年期のことを学習したね。 生徒Y:そうだったね。最近,⒜人間関係をどう構築していけばよいか思い悩んでしまうとき があるんだけど,そういう悩みが自我の形成につながると聞いて,少し安心したよ。 生徒X:そうなんだ。実は最近,自信をなくしているんだよね。スポーツや勉強も,まわりの 友達の方ができる気がして。「自分は何をやってもダメだなぁ」って感じてしまう。授 業の感想にも書いたんだけど,自分が⒝生きる意味って何だろうと考えてしまうとき があるんだ。 生徒Y:うーん,難しい。答えはあるのかなぁ。次回の授業のテーマは,「古今東西の先哲の 思想を手がかりに,人間としての生き方を考えよう」だから,何かヒントになること があるといいよね。
問2 下線部分⒝生きる意味に関連して,次の資料1 は,授業の中で先生が生徒に提示したもの である。資料1 を読み,下の会話文中の A , B にあてはまるものの組合せとし て適切なものを,次のページの1 ~4 のうちから一つ選べ。
資料1 被収容者には,彼らが生きる「なぜ」を,生きる目的を,ことあるごとに意識させ,現 在のありようの悲惨な「どのように」に,つまり収容所生活のおぞましさに精神的に耐 え,抵抗できるようにしてやらねばならない。 ひるがえって,生きる目的を見出せず,生きる内実を失い,生きていてもなにもなら ないと考え,自分が存在することの意味をなくすとともに,がんばり抜く意味も見失っ た人は痛ましいかぎりだった。そのような人びとはよりどころを一切失って,あっとい うまに崩れていった。あらゆる励ましを拒み,慰めを拒絶するとき,彼らが口にする のはきまってこんな言葉だ。「生きていることにもうなんにも期待がもてない」こんな言 葉にたいして,いったいどう応えたらいいのだろう。 ここで必要なのは,生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わた したちが生きることからなにを期待するかではなく,むしろひたすら,生きることがわ たしたちからなにを期待しているかが問題なのだ,ということを学び,絶望している人 間に伝えねばならない。 (ヴィクトール・E・フランクル著,池田香代子訳『夜と霧 新版』により作成) 会話文 先 生:この資料1 は,フランクルの著書『夜と霧』の一節です。フランクルはユダヤ人の精 神医学者で,ナチス・ドイツの強制収容所に収容された際の体験をもとにしてこの 本を執筆しました。前回の授業の感想で,生きることの意味は何か,という問いを あげた人がいました。この問いに対しては,人類の歴史の中で様々な思索が重ねら れてきましたが,『夜と霧』もその取組の一つと言えます。さて,この一節を読ん で,皆さんはどのような感想を持ちますか。 生徒X:第二次世界大戦を特集したテレビ番組を見たことがあるけど,強制収容所での状況 は絶望的な極限状態だったろうね。そこから生還した人は,なぜそんな極限状態を 耐え抜くことができたんだろうか。 生徒Y:第一段落と第二段落の内容を踏まえると,極限状態を耐え抜くことができた人は, A と言えそうだね。ただ,もしも自分がこのような絶望的状況に立たされた として,どうやってそれを克服していけばよいのか,わからないよ。 生徒X:第三段落の内容を踏まえると, B が絶望的状況を克服する力になるとフラン クルは考えたようだね。 A にあてはまる選択肢 ア 心の中に生きる目的を持ち続けていた イ 頑丈な身体と慰めを拒絶する姿勢を持っていた B にあてはまる選択肢 ウ 「私の幸せはどうすれば手に入るのか」と問うのではなく,与えられた運命を引き受け, 「私の人生にはどのような意味と使命が与えられているのか」を主体的に追求すること エ 過酷な環境に置かれても,自暴自棄になったり,悩みに煩わされ悶々と過ごしたりす るのではなく,いつか時間が解決してくれるだろうという希望を持って耐え忍ぶこと
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は1です。資料1のフランクルは、生きる目的を意識できた人は極限状態に耐えられ、目的を見失った人は崩れていったと述べています。したがってAには、生きる意味を見いだせていたという趣旨のアが当てはまります。またフランクルは、自分が生きることから何を期待するかではなく、生きることが自分から何を期待しているかへと問いを転換すべきだと述べているので、Bにはウが当てはまります。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00013.htm)を加工して作成

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