問1 下線部分⒜人間関係に関連して,相手に近づきたい気持ちと,自分や相手が傷つく…
生徒たちは,「公共」の学習の始まりとして,「公共的な空間」をつくる私たちの生き方や考え方 について学んでいる。問1 ~問5 に答えよ。 1 生徒Xと生徒Yが,「公共」の授業のあとに会話している。 会話文 生徒X:今日の授業では,青年期のことを学習したね。 生徒Y:そうだったね。最近,⒜人間関係をどう構築していけばよいか思い悩んでしまうとき があるんだけど,そういう悩みが自我の形成につながると聞いて,少し安心したよ。 生徒X:そうなんだ。実は最近,自信をなくしているんだよね。スポーツや勉強も,まわりの 友達の方ができる気がして。「自分は何をやってもダメだなぁ」って感じてしまう。授 業の感想にも書いたんだけど,自分が⒝生きる意味って何だろうと考えてしまうとき があるんだ。 生徒Y:うーん,難しい。答えはあるのかなぁ。次回の授業のテーマは,「古今東西の先哲の 思想を手がかりに,人間としての生き方を考えよう」だから,何かヒントになること があるといいよね。
問1 下線部分⒜人間関係に関連して,相手に近づきたい気持ちと,自分や相手が傷つくことへ の恐れとが葛藤を起こし,適度な距離を見いだしにくい状況を,「ヤマアラシのジレンマ」と 呼ぶことがある。「ヤマアラシのジレンマ」の例として適切なものを,次の1 ~4 のうちから 一つ選べ。
- 1 相手に親しみや仲間意識を感じているが,「負けたくない」という強いライバル意識も同時に持っている友人関係親しみと競争心が同居している関係で、悩んでいるのは距離の取り方ではありません。傷つけ合うことへの恐れも出てきません。
- 2 学校内ではいつも一緒に行動するが,プライベートな時間を大切にしてあまり深くつきあうことはしない友人関係深く付き合わないと決めている関係で、距離はすでに定まっています。迷いや葛藤が見られません。
- 3 互いに相手を大切に考えているので,なるべく他の人は排除して自分たちだけの限られた関係を維持しようとする友人関係互いを大切にするあまり他を排除している関係で、二人の距離に悩んでいるわけではありません。
- 4 何気ない言葉や態度が相手を傷つけているのではないかと気にして,どこまで親しくしたらよいか迷っている友人関係相手を傷つけていないかを気にして、どこまで近づいてよいか決めかねています。近づきたい気持ちと恐れの葛藤そのものです。
解説
正解は4です。ヤマアラシのジレンマは、寒さをしのぐために身を寄せ合いたいのに、近づきすぎると互いのとげで傷つけてしまうヤマアラシにたとえた言葉です。親しくなりたい気持ちと、傷つけ合うことへの恐れとがぶつかり、ちょうどよい距離が決められない状態を指します。4は、相手を傷つけていないかを気にして距離を決めかねている状態なので、この説明に当てはまります。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00013.htm)を加工して作成