問4 花子さんは,庭にあるアジサイの花色を全て青色にしたいと考えた。庭にまくと土…
花子さんは,梅雨の時期に庭を眺めていて,アジサイの花(がく)色の違いについて興味をも ち,探究活動を行うことにした。なお,アジサイの品種はホンアジサイなどの一般的なもので あった。問1 ~問4 に答えよ。 花子さんがアジサイの花色について調べてみると,アントシアニン系色素が含まれているこ とがわかった。アントシアニン系色素は,ブドウや紫キャベツの色にも関係していて,水溶液 のpH によって,青色や淡桃(ピンク)色などの色を示す物質である。そこで,水溶液の液性と pH の関係について詳しく調べることにした。 花子さんは,アントシアニン系色素の色がpH の値で変化することについて理解を深めるた めに,紫キャベツを使って次のような実験を行った。 1 紫キャベツの色素をアルコールで抽出すると淡紫色の液体になり,この液体を色素液とし た。 2 pH の値が異なる5 種類の水溶液に色素液をそれぞれ加えた。 3 pH の値と色素液を加えた水溶液の色の関係は,次のとおりであった。 pH = 1:赤色 pH = 4:紫色 pH = 7:青色 pH = 10:緑色 pH = 13:黄色 花子さんがさらに調べてみると,アジサイの花色の変化は紫キャベツと異なることがわかっ た。アジサイの花色は,アルミニウムイオンが多く含まれている土壌のpH の値で変化し,水 分量が十分にあるとき,酸性土壌では青色に,中性から塩基性土壌では淡桃(ピンク)色に変わ ることがわかった。なお,花子さんの庭の土壌は,アルミニウムイオンと水分量が十分にある ことも調査済みである。
問4 花子さんは,庭にあるアジサイの花色を全て青色にしたいと考えた。庭にまくと土壌が酸 性になる物質として,最も適当なものはどれか。次の1 ~5 のうちから一つ選べ。
- 1 硫安:硫酸アンモニウム(NH4)2SO4硫安に含まれるアンモニウムイオンは土壌中で水素イオンを生じやすく、土壌を酸性にする働きがあります。
- 2 石灰:水酸化カルシウムCa(OH)石灰(水酸化カルシウム)は塩基性の物質で、酸性の土壌を中和して塩基性に近づける働きをします。土壌を酸性にする物質ではありません。
- 3 砂糖:ショ糖C12H22O11砂糖(ショ糖)は水に溶けても電離せず、酸性にも塩基性にもならない中性の物質です。
- 4 食塩:塩化ナトリウムNaCl食塩(塩化ナトリウム)は強酸と強塩基からできた中性の塩で、水に溶かしても土壌を酸性にはしません。
- 5 重曹:炭酸水素ナトリウムNaHCO3重曹(炭酸水素ナトリウム)の水溶液は弱い塩基性を示すため、土壌を酸性にする物質ではありません。
解説
正解は1です。硫安(硫酸アンモニウム(NH4)2SO4)にはアンモニウムイオンNH4+が含まれており、土壌中でこのイオンの一部が反応して水素イオンH+を生じるため、土壌を酸性にする働きがあります。石灰(水酸化カルシウムCa(OH)2)は塩基性の物質で、酸性土壌を中和して塩基性に近づけるために使われます。砂糖や食塩は水に溶けても酸性にも塩基性にもならない中性の物質で、重曹(炭酸水素ナトリウムNaHCO3)は弱い塩基性を示す物質です。したがって、庭の土を酸性にしてアジサイを青色にするには、硫安をまくのが適しています。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00019.htm)を加工して作成