問4 次の図は下線部⒟の操作を表したものである。この操作による色素の分離と関係の…
次の文は,身のまわりの混合物の分離に関する太郎さんと花子先生の会話である。問1 ~問4
に答えよ。 花子先生 「私たちは日常的に,混合物から特定の物質を取り出して利用していますね。」 太郎さん 「緑茶は,お茶の葉にお湯を注いで香りや味の成分を取り出して利用しています。」 花子先生 「昆 こん 布 ぶ から出 だ 汁 し をとるのも同じ原理ですね。」 太郎さん 「 そういえば,コップにお茶を注ぐときに,お茶の 葉は茶こしの網で分離されていますね。」 花子先生 「 それは,コーヒー豆からコーヒーをいれるときに 使うフィルターと同じ原理ですね。」 太郎さん 「 お茶にはカフェインや色素が含まれていると聞い たことがあります。分離することはできますか。」 花子先生 「 お茶の葉を加熱すると,カフェインが気体にな り,その気体を固体にすることで分離できます。」 太郎さん 「そうなんですね。色素はどうやって分離するのでしょうか。」 花子先生 「 お茶の葉をすりつぶしてエタノールを加えると,エタノールに色素が溶け出してき ます。得られたエタノール溶液をろ紙の下方につけ,そのろ紙の下端を溶媒にひた しておくと,複数の色素に分離できます。」
問4 次の図は下線部⒟の操作を表したものである。この操作による色素の分離と関係の深い身 のまわりの現象として最も適当なものはどれか。下の1 ~5 のうちから一つ選べ。
- 1 紙がぬれて,水性ペンで書いた文字がにじんで広がった。水性ペンのインクにはいくつかの色素が混ざっており、紙がぬれて水という溶媒が広がるとき、色素ごとの移動速度の違いにより色が分かれてにじむため、クロマトグラフィーと同じ原理です。
- 2 漂白剤を使うと,服についたしみの色が落ちた。漂白剤による脱色は、酸化還元反応によって色素の構造そのものを壊して色を失わせる化学変化であり、色素を移動させて分けるクロマトグラフィーとは原理が異なります。
- 3 リンゴの切り口の色が茶色くなった。リンゴの変色は、切り口の成分が空気中の酸素と反応する酸化反応(褐変)によるもので、色素を溶媒とともに移動させて分けるクロマトグラフィーとは異なる現象です。
- 4 みそ汁が吹きこぼれるとガスコンロの炎の色が黄色く変わった。炎の色が変わるのは、みそ汁に含まれるナトリウムなどの金属イオンによる炎色反応であり、色素の移動速度の違いを利用するクロマトグラフィーとは異なる現象です。
- 5 ムラサキキャベツにレモン汁をかけると,ムラサキキャベツの色が変わった。ムラサキキャベツの色の変化は、含まれる色素が酸性・塩基性によって色を変える性質によるもので、色素を移動させて分けるクロマトグラフィーとは異なる現象です。
解説
正解は1です。下線部の操作は、色素を含むエタノール溶液をろ紙にしみ込ませ、溶媒がろ紙を伝って移動するあいだに、色素ごとの移動速度の違いによって分離するペーパークロマトグラフィーです。水性ペンで書いた文字が水にぬれてにじみ広がる現象も、インクに含まれる複数の色素成分が水という溶媒とともに紙の繊維を移動し、成分ごとの移動しやすさの差によって色が分かれて見える点で同じ原理です。漂白や変色などの化学変化とは異なる現象です。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成