問4 下線部下に敷いた板と棒の先端部分が激しくこすり合わされることによって,木の…
(1 ・2 のどちらか1 題を選び解答する) 熱の性質とエネルギーについて,問1 ~問5 に答えよ。 夏の気温の高い日には,アスファルトで覆われた道路の表面は50 ℃から65 ℃程度になる。 図1 は,涼をとるために,江戸時代から庶民の間でも親しまれていた「打ち水」と呼ばれる習慣を 行っている様子を表している。「打ち水」は,日差しであたためられた高い温度の地面に地面より 低い温度の水が触れることで地面の温度を下げる効果がある。また,地面であたためられた水が 蒸発して周囲の温度を下げる効果もある。 図1 図2 のように,容器の底に温度65 ℃にあたためた質量1 kg の板状のアスファルトを置いて, ペットボトルから水を注いだ。ペットボトルの中の水の温度は室温と等しく21 ℃であった。こ の状態から十分に時間を経過させたところ,板状のアスファルトと水の温度はともに32 ℃に なった。ペットボトルを満たしていた水の質量を1 kg,アスファルトの比熱容量(比熱)を 0.92 J/(g・K),水の比熱容量(比熱)を4.2 J/(g・K)とし,ペットボトルから容器に水を注ぐ間に 水の温度は変化せず,熱の移動は板状のアスファルトと水の間だけで行われるものとする。 ペットボトル 板状のアスファルト 容器 図2 図3 は,「まいぎり」と呼ばれる火を起こす器具である。穴の空いた板の穴に棒を通し,板の両 端につけたヒモを棒に巻きつけてから板を上下に動かすと,棒に巻きつけたヒモが棒を回転させ る。棒は棒の下の方にとりつけた円盤とともに勢いよく回転し,下に敷いた板と棒の先端部分が 激しくこすり合わされることによって,木の温度が上昇する。この後,こすり合わされて木が削 られてできた木の粉の温度も高くなり,木の粉に火がつく仕組みになっている。 図3 穴の空いた板 下に敷いた板
問4 下線部下に敷いた板と棒の先端部分が激しくこすり合わされることによって,木の温度が 上昇するに関して,この現象の説明として最も適切なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選 べ。
- 1 物体に仕事をすると,仕事をされた物体を構成する原子や分子の熱運動のエネルギーが大きくなり,物体の温度が上昇する。仕事が熱運動のエネルギーに変わり、温度が上がります。
- 2 物質が化学変化をすると,物質のもつ化学エネルギーの一部は熱運動のエネルギーに変わり,物体の温度が上昇する。化学変化による発熱の説明で、摩擦の説明ではありません。
- 3 物体に摩擦を加えると,物体を構成する物質の中に溜まっていた熱を表す物質が放出され,物体の温度が上昇する。熱を表す物質があるという考え方は、否定されています。
- 4 物質を刺激すると,燃えやすい物質に多く含まれている成分が物質から放出される過程で生じる光などのエネルギーによって,物体の温度が上昇する。燃える成分が放出されるという考え方も、否定されています。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は1です。こすり合わせるという仕事をすると、そのエネルギーが物体をつくる原子や分子の熱運動のエネルギーに変わり、温度が上がります。仕事と熱が同じエネルギーの形であることを示す身近な例です。2は化学変化による発熱の説明で摩擦とは別、3の熱を表す物質や4の燃える成分の放出という考え方は、現在では否定されています。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00019.htm)を加工して作成