問4 オサムとヒトミの考えの正誤の組合せとして最も適当なものを,次の1 ~4 の…
地層の広がりについて科学的に探究した。問1 ~問4 に答えよ。 地学部の活動として生徒が先生と一緒に地層の観察に行くために,事前の研修をしています。 調査地域には,平野の中に小高い丘(標高212 m)が存在しており,丘の周囲に4 つの露頭ABC Dが見られると地質ガイドに出ています。 100 m N 図1 調査地域における4 つの露頭の位置関係 調査ルートの選択について検討している場面 先 生:さて,どの露頭から観察するのがよいかな。露頭の観察の順番を考えよう。 オサム:丘の麓から道が通じているのは露頭BとDですね。 マサエ:山頂にも行きたいな。 マコト:僕は山登りが得意でないので,急な道は不安だな。山頂まで急斜面が連続しないルート を取ろうよ。 先 生:さて,露頭を観察するに当たって注意するべきことは何かな。 オサム:露頭の上部が崖になっている場合,上部からの落石に注意することです。 マサエ:どこの崖を観察しているか,地図上で確認することです。 ヒトミ:露頭を観察する場合, X ことです。 生徒たちは実際に調査地域に出掛け,各露頭でスケッチを行いました。なお,露頭の上下は草 に覆われて見えませんでした。その後,学校に戻って,各々のスケッチを持ち寄って,情報を補 い合いながら,各露頭のスケッチを完成させました。 (露頭C) 北 南 草 草 レキ岩 標高200m 30 cm (露頭D) (露頭B) (露頭A) 図2 露頭ABCDにおける地層のスケッチ 先 生:4 つの露頭で,似たような特徴の地層があったかな。 マサエ:露頭A,B,Dが似たような順番で地層が積み重なっているような気がします。 マコト:どの露頭も下から石灰岩,砂岩,薄い凝灰岩,砂岩,泥岩という積み重なりになってい ます。 先 生:そうだね。泥岩には Y の示準化石であるカヘイセキ(ヌンムリテス), Z 凝灰 岩が,共通して見られるから,これら3 つの露頭では同じ地層を見ていると考えてよいね。 マサエ:露頭A,B,Dで見られた地層が同じだとすると,同じ地層が出ているのにどうして地 層の標高が違うんだろう。 先 生:いくつかの可能性が考えられると思います。地層の傾斜の仕方と断層の存在です。 オサム:地層が傾斜しているとすると,図1 からこの露頭に現れた地層は東に下がるように傾斜 していると思います。 ヒトミ:断層が調査地域にあるとすると,図1 から山頂と露頭Aの間に断層があり,東側の地盤 が上がっていると思います。
問4 オサムとヒトミの考えの正誤の組合せとして最も適当なものを,次の1 ~4 のうちから一 つ選べ。なお,この地域では各々の地層は同じ厚みを保ったまま平板状に広がっているもの とする。
- 1 オサム:正 ヒトミ:正ヒトミは正しいのですが、東の露頭Aの方が高いので、東に下がるというオサムの考えは成り立ちません。
- 2 オサム:正 ヒトミ:誤二人とも逆に判定しています。オサムの考えが誤りで、ヒトミの考えが正しくなります。
- 3 オサム:誤 ヒトミ:正東の露頭Aだけが20m高いので、東へ下がる傾斜では説明できず、東側が上がった断層なら説明がつきます。
- 4 オサム:誤 ヒトミ:誤オサムは誤りですが、ヒトミの断層による説明は露頭の高さの違いと矛盾しません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は3です。露頭の凝灰岩の高さは、東にある露頭Aが標高170m、南の露頭Bと北の露頭Dがどちらも標高150mです。オサムの考えは誤りです。BとDが同じ高さなので、地層が傾いているとすれば東西の向きに傾くことになりますが、東にある露頭Aの方が高いので、地層は東へ下がるのではなく東へ上がる形になります。ヒトミの考えは正しいです。山頂と露頭Aの間に断層があり、東側の地盤が20mほど持ち上がったと考えると、露頭Aだけが高い理由を説明できます。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00013.htm)を加工して作成