我が国の社会における近年の動きに関する記述として最も妥当なのはどれか。
我が国の社会における近年の動きに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 令和7(2025)年1月、総務省は令和6(2024)年の人口移動報告を発表し、約30年ぶりに東京都の転出者数が転入者数を上回り、「東京一極集中」に歯止めがかかったことが分かった。この背景として、コロナ禍を契機に地方への移住者が増えていることなどが挙げられる。世界の都市には、人口が集中した都市中心部での環境の悪化によって中高所得者層や工場が郊外へ移転し、中心部が空洞化・荒廃するジェントリフィケーションという問題が顕在化している例がある。中心部が荒廃する現象はインナーシティ問題で、意味が逆です。
- ⑵ 令和7(2025)年4月、警察庁は令和6(2024)年に自宅で亡くなった一人暮らしの人が7万人を超えたことを発表し、このうちの約5割が65歳以上の高齢者であったことが分かった。我が国は、2010年代後半に65歳以上の人口比率が14%を超えて、超高齢社会に突入した。さらに、近年、高齢者が一人で住む単身世帯や高齢者夫婦世帯などの核家族が増加傾向にあり、高齢者の単身世帯は、高齢者がいる世帯の半数以上を占めている。超高齢社会は65歳以上が21%を超えた社会を指します。
- ⑶ 令和7(2025)年5月、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法律が成立した。これには、官民連携の強化を図ることや外国が関連する通信について政府が情報を取得・分析できること、警察・自衛隊が攻撃サーバへアクセスして無害化の措置を行えることなどが盛り込まれた。サイバー攻撃の手段には、データを暗号化し、暗号化の解除と引換えに金銭などを要求するランサムウェアなど様々なものが存在する。法律の内容も、ランサムウェアの説明も正しい記述です。
- ⑷ 令和7(2025)年9月、環境省は人工光合成の社会実装に向けたロードマップを取りまとめた。人工光合成は、太陽光、水及び二酸化炭素から燃料や医薬品の原料などを生成する技術であり、我が国が同年2月に国際連合に提出した2030年温室効果ガス排出量ネット・ゼロ実現計画にある取組の一つである。光合成は、単純な物質から複雑な物質を合成する異化という代謝の一種であり、アデノシンという物質に二つのリン酸が結合したATPを仲立ちにして行われる。光合成は単純な物質から複雑な物質をつくる同化にあたります。
- ⑸ 令和7(2025)年9月、釧路湿原国立公園周辺の大規模な太陽光発電施設の建設を受け、釧路市でこれらの適切な設置及び管理のために必要な手続などを定めた条例が成立した。事業者にあらかじめ事業計画について環境大臣の許可を得ることなどを義務付け、違反した場合の罰金などの罰則を設けた。世界自然遺産である釧路湿原は、生物多様性の保全や生物のもつ遺伝資源の利用から生じる利益の公正な分配を目的とするラムサール条約の登録湿地にもなっている。釧路湿原はラムサール条約の登録湿地で、世界自然遺産ではありません。
解説
正解は⑶です。2025年5月に能動的サイバー防御の導入に向けた法律が成立し、官民連携の強化、通信情報の取得・分析、攻撃サーバの無害化などが盛り込まれました。ランサムウェアの説明も正しい内容です。ほかの選択肢は、ジェントリフィケーションの意味、超高齢社会の基準、光合成が同化であること、釧路湿原が世界自然遺産ではないことなどが事実と異なります。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成