近年の国際情勢などに関する記述として最も妥当なのはどれか。
近年の国際情勢などに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 2025年1月、オーストラリアがBRICSに新たに加盟した。今回のオーストラリアの加盟により、BRICSの正式な加盟国は8か国となった。近年、BRICSは国際的地位の向上と経済的な相互依存の深化を目的にBRICS加盟国内での経済統合を進めており、上海協力機構を発足させた。また、経済統合の実現を金融面から支えるアジア開発銀行(ADB)を設立し、グローバル・サウスのインフラ整備を推進する動きを強めている。上海協力機構もアジア開発銀行も、BRICSが設立したものではありません。
- ⑵ 2025年7月、英国のジョンソン首相とドイツのメルツ首相が安全保障などを含む包括的な二国間協力を強化する条約を締結した。この条約には、一方の国が攻撃を受けた場合に、他方が軍事的手段などで支援する相互防衛の条項が含まれており、これにはEUにおける集団的自衛権を代替する役割が期待されている。なお、第二次世界大戦後、英国とドイツが二国間で安全保障に関する条約を締結したのは1960年代のマーストリヒト条約以来、二度目である。マーストリヒト条約は1992年のEU創設の条約です。
- ⑶ 2025年7月、国際連合食糧農業機関(FAO)などが、2024年時点で約7億人が飢餓に直面したとする推計を発表した。同推計では、アフリカでのみ継続的に飢餓人口が増加しており、2030年には飢餓人口の約6割をアフリカが占めると予測された。アフリカは特定の一次産品に貿易収入の多くを依存するブロック経済体制の国が多く、これが安定した経済成長を妨げてきた要因の一つであると考えられている。このような経済構造の解消を目的として、国際連合はアフリカ連合(AU)を立ち上げた。アフリカ連合はアフリカ諸国が設立したもので、国際連合ではありません。
- ⑷ 2025年8月、広島で平和記念式典が執り行われた。今回の式典には初出席となる台湾、パレスチナを含め、過去最多となる120か国・地域の大使らが参加した。我が国は、唯一の戦争被爆国としてこれまで核軍縮の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」の表明や、G7広島サミットでの核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンの発出など、国際社会における核軍縮の議論を主導してきている。核軍縮の歴史をみると、キューバ危機の翌年に部分的核実験禁止条約(PTBT)が締結された。式典の参加と、キューバ危機の翌年の部分的核実験禁止条約が正しいです。
- ⑸ 2026年1月、米国は地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定を離脱した。今回の米国の離脱によって、パリ協定を離脱した国はカナダと米国の2か国となった。パリ協定とは、21世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げた国際枠組みである。この協定は、主要排出国に限らず全ての参加国が削減目標を5年ごとに更新することを義務付けるとともに、定めた目標を達成することにも法的義務が生じることが特徴として挙げられる。パリ協定は目標の達成そのものに法的義務を課してはいません。
解説
正解は⑷です。2025年8月の広島平和記念式典には台湾やパレスチナを含む過去最多の国・地域が参加し、我が国は核軍縮の議論を主導してきました。部分的核実験禁止条約が1962年のキューバ危機の翌年に結ばれたことも正しい説明です。BRICSやアジア開発銀行、マーストリヒト条約、アフリカ連合の成り立ち、パリ協定の義務の範囲は、いずれも事実と食い違っています。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成