その後、心不全症状の増悪を認めることなく、外来通院を続けていた。7月下旬に栄養食…
K 病院に勤務する管理栄養士である。患者は、78 歳、女性。4年前に慢性心不全と診断され、外来通院を行いながら、心臓リハビリテーションを受けている。慢性心不全の急性増悪による入院歴がある。通常の日常生活では症状を認めないが、買い物で重いものを運んだり、家の掃除で無理をしたりすると、疲労や動悸を自覚している。摂食嚥下機能に問題はない。ACE 阻害薬、β遮断薬、利尿薬が投与されている。身長150 cm、体重48 kg、BMI 21. 3 kg/m2。血圧118/72 mmHg、脈拍数82 回/分。浮腫あり。空腹時の血液検査値は、アルブミン3. 4 g/dL、血糖82 mg/dL、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0. 48 mg/dL、ナトリウム142 mEq/L、カリウム4. 6 mEq/L、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)218 pg/mL(基準値:35 pg/mL 未満)。
その後、心不全症状の増悪を認めることなく、外来通院を続けていた。7月下旬に栄養食事指導を行った際に、「毎日暑くて、食欲がなくなってきました。」と相談があった。体重46 kg。空腹時の血液検査値は、アルブミン3. 2 g/dL、尿素窒素18 mg/dL、クレアチニン0. 7 mg/dL、ナトリウム133 mEq/L、カリウム3. 7 mEq/L、BNP 74 pg/mL。表は、本人が持参した食事メモである。患者への助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 食塩が多いので、減らしましょう。ナトリウムがやや低値であり、この状況で減塩を強めるのは適切ではありません。
- ⑵ 昼食に主菜を加えてみませんか。食欲が落ちている時期に一度の量を増やす助言は、実行が難しくなります。
- ⑶ 夕食のご飯をお粥にしてみませんか。粥にすると同じ量でもエネルギーが下がり、体重減少を助長します。
- ⑷ 食べやすい間食を何か加えてみませんか。回数を分けて摂取量を増やす助言で、食欲低下時にも実行しやすい方法です。
解説
正解は⑷です。暑さによる食欲低下で食事量が減り、体重も減少しています。アルブミンが低く、ナトリウムもやや低値であることから、まず全体の摂取量を増やすことが優先されます。食事量そのものが減っている状況では、食べやすい間食を加えて回数を分けるほうが、一度の食事量を増やそうとするより実行しやすくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17056.html)を加工して作成