患者は、今まで栄養食事指導を受けたことがなく、医師から糖尿病の合併症について説明…
K クリニックに勤務する管理栄養士である。初診時に初回の外来栄養食事指導を行った。患者は、33 歳、男性。会社員。両親と同居。職場の健診で、血糖値が高いことを指摘され、当クリニックを受診し、2型糖尿病と診断された。喫煙、飲酒の習慣はない。身長170 cm、体重102 kg、BMI 35. 3 kg/m2。血圧138/85 mmHg。空腹時の血液検査は、血糖140 mg/dL、HbA1c 7. 2%、LDL コレステロール100 mg/dL、HDL コレステロール36 mg/dL、トリグリセリド205 mg/dL、AST 36 U/L、ALT 50 U/L。他に合併症はない。患者は、幼少期から体が大きく、今まで体型を気にしたことはなかった。患者は、医師からの薬物治療の提案を強く拒絶した。このため、食事療法により、3か月後の目標体重を95 kg とした減量を行うこととなった。
患者は、今まで栄養食事指導を受けたことがなく、医師から糖尿病の合併症について説明されたことに対し、「やせなければいけないことは分かりますが、おいしいものが食べられない生活なんて考えられません。」と発言している。表は、患者から聞き取った普段の食事内容である。この食事内容を例に、患者が継続して食事療法に取り組むための助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 朝食にサラダを食べましょう。追加する提案であり、エネルギーを減らすことにはつながりません。
- ⑵ 昼食と夕食のご飯をそれぞれ1杯ずつ減らしましょう。料理の内容を変えずにエネルギーを減らせ、本人の希望とも両立します。
- ⑶ 昼食のとんかつ定食は、豚の生姜焼き定食にしましょう。献立を変える提案は、おいしいものを食べたいという希望に反します。
- ⑷ 間食は、やめましょう。楽しみを全面的に禁じる助言は、抵抗を強めて継続を妨げます。
解説
正解は⑵です。この患者は食べる楽しみを失うことに強い抵抗を示しています。主食の量を減らす提案は、料理の内容を変えずにエネルギーを確実に減らせるため、本人の希望と治療の必要性を両立できます。行動を変える助言では、効果の大きさだけでなく、本人が受け入れられるかどうかを合わせて考えることが継続の鍵になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17056.html)を加工して作成