その後、A さんには連続携行式腹膜透析法〈CAPD〉が開始された。同時に腹膜透析…
その後、A さんには連続携行式腹膜透析法〈CAPD〉が開始された。同時に腹膜透析の方法と必要な自己管理についての指導が開始となった。現在の血液検査データは、Hb 9.0 g/dL、アルブミン2.9 g/dL、クレアチニン2.5 mg/dL、K 3.8 mEq/Lであった。また腹膜透析開始後の除水量は平均450 mL/日、尿量は平均900 mL/日であった。現在のA さんに対する食事指導の内容で適切なのはどれか。
- ⑴ 蛋白質は0.2 g/kg/日とする。腹膜透析では透析液へ蛋白質が失われやすいため、極端に少ない量に制限することは適切ではありません。
- ⑵ カリウムを含む食品の制限はない。腹膜透析では透析液を介してカリウムが除去されやすく、多くの場合厳しい食品制限は必要とされません。
- ⑶ 水分摂取量は除水量と同量とする。水分摂取量は除水量に尿量も加味して考える必要があり、除水量だけに合わせるという説明は正確ではありません。
- ⑷ 総エネルギーは50 kcal/kg/日とする。次の文を読み100~102 の問いに答えよ。A さん(75 歳、男性)は妻(70 歳)と2 人で暮らしている。日中は本を読んで過ごすことが多い。2 か月前からA さんは、椅子から立ち上がる時にバランスを崩すことや「寝室に女の子がいる」と言うことがあった。また、就寝後、夜間に大きな声で「おーい」と叫んで手を振る行動が継続してみられるようになった。心配になった妻がA さんと病院を受診し、初期の Lewy〈レビー〉小体型認知症と診断された。A さんはdementia with Lewy bodies要介護認定の申請をし、要支援1 と認定された。必要なエネルギー量は透析液由来の糖分の吸収なども考慮して個別に検討されるものであり、一律の数値で決まるものではありません。
解説
正解は⑵です。腹膜透析では、透析液を介して持続的にカリウムが除去されやすく、血液検査でもカリウム値は基準範囲内にとどまっています。そのため血液透析ほど厳しいカリウム制限を必要としない場合が多く、この記述が適切な内容として選ばれます。蛋白質の極端な制限や水分量・エネルギー量を機械的に決めつける説明は、腹膜透析の実際とは異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-03_04_05.html)を加工して作成