A さんの症状は半年ほどで落ち着き、夫との散歩や料理を楽しみ、特に問題なく過ごせ…
A さんの症状は半年ほどで落ち着き、夫との散歩や料理を楽しみ、特に問題なく過ごせるようになった。精神科受診を終了して年後、A さんは再び家にこもりがちになった。夫の話では、急に料理の作り方や人の名前を何度も確認するなど、家事に時間がかかるようになった。A さんは「何もできないと思っているでしょ」と、ささいなことに怒ったり、急に泣き出すことが増え、夫と一緒に精神科外来を再受診した。頭部MRI 検査の結果、多発性脳梗塞がみられ、血管性認知症と診断された。Avascular dementiaさんは「自分が認知症なんて信じられない。もう治らない」と話した。dementiaA さんに認められるのはどれか。つ選べ。
- ⑴ 感情失禁わずかなきっかけで怒ったり急に泣き出したりするのは感情失禁で、血管性認知症でみられやすい症状です。
- ⑵ 観念奔逸観念奔逸は考えが次々に浮かんで話が飛ぶ状態で、躁状態でみられます。この場面の所見とは異なります。
- ⑶ 強迫行為何度も確認するのは記憶や段取りの障害によるもので、不合理と分かっていてもやめられない儀式的な行為である強迫行為とは異なります。
- ⑷ 心気妄想心気妄想は重い病気であると確信する妄想です。治らないという発言は診断を受けたことへの落胆と受け取れ、妄想とは判断できません。
- ⑸ 実行機能障害料理の手順のように順序立てて計画し実行する働きが損なわれ、確認を繰り返して時間がかかる状態は実行機能障害にあたります。
解説
正解は⑴と⑸です。血管性認知症では、感情のコントロールが難しくなり、わずかなきっかけで怒ったり急に泣き出したりする感情失禁がみられます。またAさんは料理の作り方を何度も確認し家事に時間がかかっており、これは物事を順序立てて計画し実行していく働きが損なわれた実行機能障害と考えられます。段取りを目に見える形にしたり、工程を分けて行いやすくする工夫が支援になります。他の選択肢は躁状態や強迫症、うつ病でみられる症状であり、この場面の所見とは異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成