ある日の夜、A さんと突然連絡がつかなくなったことを心配した母親が、A さんのア…
ある日の夜、A さんと突然連絡がつかなくなったことを心配した母親が、A さんのアパートを訪ねると、意識を失っているA さんを発見した。すぐに救急車を呼び、A さんは救命救急センターへ搬送された。翌朝、同じ病院の精神科病棟に転棟し、器質的検査および生理的検査では異常が認められなかった。救急隊からの情報によると、アパートには抗不安薬を大量に服用した痕跡があった。入院後48 時間から72 時間にかけてA さんに出現する可能性が高い症状はどれか。
- ⑴ 幻 覚継続して使用していた薬物の中断による離脱症状として、不安・不眠・発汗・ふるえに加えて幻覚やせん妄、けいれんが現れることがあります。
- ⑵ 感情鈍麻感情鈍麻は感情の動きが乏しくなる状態で、統合失調症の陰性症状としてみられます。離脱症状として現れるものではありません。
- ⑶ 思考途絶思考途絶は話の途中で思考が突然とだえる状態で、統合失調症でみられる思考の障害です。離脱症状ではありません。
- ⑷ 妄想気分妄想気分は何か不気味なことが起こりそうだという漠然とした体験で、統合失調症の初期にみられます。離脱症状ではありません。
解説
正解は⑴です。抗不安薬として用いられるベンゾジアゼピン系の薬物を継続して大量に使っていた人が、急に中断すると離脱症状が現れ、不安の高まり、不眠、発汗、手のふるえ、頻脈などに加えて、幻覚やせん妄、けいれんが生じることがあります。これらは中断からおおむね数日のうちに出現しやすく、48時間から72時間ころが注意を要する時期になります。安全な環境を整え、バイタルサインと意識状態、けいれんの有無を継続して観察します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成