A さんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠って…
A さんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠っていることが多くなった。A さんの妻は「夫は話しかけても何も答えてくれないので、どうしたらよいか分かりません」と訪問看護師に話した。このときの妻への声かけで適切なのはどれか。
- ⑴ 「A さんの体にできるだけ触れるようにしましょう」触覚や聴覚は比較的最後まで保たれるとされます。手を握る、体をなでるといった関わりは本人の安楽になり、妻自身の支えにもなります。
- ⑵ 「A さんは苦痛を感じることはありません」苦痛がないと言い切ることはできません。表情や体の動き、呼吸などから苦痛の有無を観察して評価し続ける必要があります。
- ⑶ 「A さんが休めるよう静かにしましょう」静かにするよう促すと、そばで関わりたいという妻の気持ちを遠ざけてしまい、後悔につながることがあります。
- ⑷ 「A さんの世話を頑張りましょう」次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。A さん55 歳、男性、会社員!。激しい胸痛で救急搬送され、心筋梗塞と診断されmyocardial infarctionた。冠動脈バイパス術¹CABG¼を受け、ICU に入室した。手術中の輸液量2,700 mL、輸血量400 mL、出血量280 mL、尿量200 mL であった。手術から 時間が経過し、人工呼吸器が装着され、心囊ドレーンと、胸腔ドレーンが留置中である。身体所見:体温37.1 ℃、脈拍63/分、血圧126/62 mmHg、末â冷感はなし。肺野全体に湿性ラ音を聴取、漿液性の気道分泌物を認める。検査所見:吸入酸素濃度40 %、動脈血酸素分圧¹PaO2¼95 Torr、動脈血炭酸ガス分圧¹ PaCO2¼36 Torr、中心静脈圧12 cmH2O、心エコー検査では左室駆出率¹ LVEF¼45 %、心囊液の貯留なし。胸部エックス線写真では両肺野の広範に透過性の低下を認める。どうしたらよいか分からないという戸惑いに応えておらず、さらに頑張ることを求める言葉になってしまいます。
解説
正解は⑴です。意識の水準が下がっても、触覚や聴覚は比較的最後まで保たれるとされています。手を握る、体をやさしくなでる、身体をふくといった触れる関わりは、本人にとって安心と安楽につながり、同時に妻にとっても「自分にもできることがある」という支えになり、後の悲嘆をやわらげる助けにもなります。返答がないことに戸惑う気持ちを受け止めながら、話しかけてよいこと、そばにいることに意味があることを具体的に伝えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成