精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症はどれか。
精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症はどれか。
- ⑴ 糖尿病diabetes mellitus糖尿病は生活習慣や薬剤の影響などで長い時間をかけて生じるもので、身体的拘束中に短期間で発生する合併症ではありません。
- ⑵ 足白癬tinea pedis足白癬は真菌の感染による皮膚疾患です。清潔の保持は必要ですが、身体的拘束中にとくに起こりやすい合併症として挙げられるものではありません。
- ⑶ 悪性症候群malignant syndrome悪性症候群は抗精神病薬による重篤な副作用で、高熱や筋の硬直がみられます。脱水などが誘因になりうるものの、身体的拘束そのものによる合併症ではありません。
- ⑷ 肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolism同一体位と下肢の運動制限、脱水により深部静脈血栓ができ、それが肺の血管に詰まって肺血栓塞栓症を起こす危険があります。拘束中にとくに注意すべき合併症です。
解説
正解は⑷です。身体的拘束を受けている間は同じ体位が続き、下肢を動かせないため静脈の血流が滞りやすく、加えて水分摂取が減って脱水になると血液が濃くなり、深部静脈血栓ができやすくなります。この血栓が肺の血管に詰まると肺血栓塞栓症となり、突然の呼吸困難や胸痛、循環の破綻を招く危険があります。予防のため、水分の補給、可能な範囲での下肢の運動や体位の変換、下肢の腫れや痛みの観察を行い、拘束は必要最小限にとどめて早期の解除を目指します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成