高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が最も高いのはどれか。
高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が最も高いのはどれか。
- ⑴ 無気肺atelectasis無気肺では換気血流の不均衡により酸素の取り込みが障害されますが、慢性的な二酸化炭素の蓄積は通常なく、呼吸中枢の感受性低下も起こりません。
- ⑵ 肺塞栓症pulmonary embolism肺塞栓症では肺の血流が妨げられて低酸素となりますが、呼吸が速くなるため二酸化炭素はむしろ低下しやすく、慢性的な蓄積は生じません。
- ⑶ 間質性肺炎interstitial pneumonia間質性肺炎では主に酸素の拡散が障害されます。二酸化炭素は拡散しやすく排出されるため、慢性的な高二酸化炭素血症は通常みられません。
- ⑷ 慢性閉塞性肺疾患?COPDCchronic obstructive pulmonary disease慢性閉塞性肺疾患では慢性的に二酸化炭素が蓄積し、呼吸中枢の二酸化炭素への感受性が低下しています。高濃度酸素で低酸素の刺激が失われると換気が減り、CO2ナルコーシスに至ります。
解説
正解は⑷です。慢性閉塞性肺疾患では慢性的に二酸化炭素が体内にたまっており、呼吸中枢の二酸化炭素に対する感受性が低下して、低酸素の刺激に頼って呼吸を続けている状態になっています。ここに高濃度の酸素を投与すると、その刺激が失われて換気量が減り、二酸化炭素がさらに蓄積して意識障害を伴うCO2ナルコーシスに至ります。他の選択肢の疾患は主に酸素の取り込みが障害されるもので、慢性的な二酸化炭素の蓄積は通常みられません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成