術後日、A さんは39.1 ℃の発熱がみられた。バイタルサイン:呼吸数18/分…
術後日、A さんは39.1 ℃の発熱がみられた。バイタルサイン:呼吸数18/分、脈拍117/分、整、血圧132/82 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度VSpO2Z97 %room air!。身体所見:呼吸音は異常なし、腰背部痛なし、術創部の腫脹、発赤、熱感はない。左手の末'血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感がある。血液検査所見:赤血球344 万/μL、Hb 12.1 g/dL、白血球11,900/μL、血小板18万/μL。血液生化学所見:尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、CRP 11.4mg/dL。尿所見:沈査に白血球を認めない。胸部エックス線写真:異常所見なし。A さんの発熱の原因で考えられるのはどれか。つ選べ。
- ⑴ 肺 炎pneumonia呼吸音に異常がなく、胸部エックス線写真にも所見がなく、SpO2も97%と保たれています。肺炎を示す所見がそろっていません。
- ⑵ 腎盂腎炎pyelonephritis腎盂腎炎では尿沈渣に白血球がみられ、腰背部痛や叩打痛を伴うことが多いです。Aさんにはいずれも認められません。
- ⑶ 術創部感染術創部感染では創部の腫脹、発赤、熱感、疼痛や滲出液がみられます。Aさんの創部にはこれらの所見がありません。
- ⑷ 術後の吸収熱手術侵襲による組織の破壊産物が吸収されて起こる吸収熱は、術後早期の発熱として説明できます。
- ⑸ カテーテル関連血流感染症catheter related bloodstream infection左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤と熱感があり、白血球とCRPの上昇も伴うため、カテーテル関連血流感染症が考えられます。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。呼吸音に異常がなく胸部エックス線写真も正常でSpO2が97%であることから肺炎は考えにくく、尿沈渣に白血球がなく腰背部痛もないため腎盂腎炎も否定的です。術創部には腫脹・発赤・熱感がなく創部感染も考えにくい状況です。一方で、手術侵襲による組織の破壊産物が吸収されて生じる術後の吸収熱は術直後の時期にみられる発熱として説明でき、加えて左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤と熱感があることから、カテーテル関連血流感染症が原因として考えられます。刺入部の観察とカテーテルの入れ替え、血液培養の実施が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成