神経線維には髄(のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄(の働きはどれか…
神経線維には髄(のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄(の働きはどれか。
- ⑴ 活動電位の発生頻度を増やす。活動電位の発生頻度は刺激の強さや受容器の性質、細胞の興奮性によって決まります。髄鞘は伝わり方を変えるだけで、発火の回数そのものを増やす働きはありません。
- ⑵ 活動電位のピークを高くする。活動電位の振幅(ピーク)はナトリウムイオンの平衡電位でほぼ決まり、刺激が閾値を超えれば一定の大きさになります(全か無かの法則)。髄鞘があっても高くはなりません。
- ⑶ 活動電位の伝導速度を速くする。髄鞘はランビエ絞輪の部分だけを興奮させる跳躍伝導を可能にし、無髄線維に比べて活動電位の伝導速度を大きく速めます。
- ⑷ 活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。髄鞘には絶縁作用がありますが、無髄線維でも隣の線維へ活動電位が乗り移ることは通常起こりません。設問が問う活動電位に対する主たる働きは伝導速度の上昇です。
解説
正解は⑶です。髄鞘(ミエリン鞘)は神経線維を絶縁性の膜で包み、ランビエ絞輪の部分だけで興奮が起こる跳躍伝導を成立させます。このため有髄線維では活動電位が絞輪から絞輪へ飛び移るように伝わり、同じ太さの無髄線維に比べて伝導速度が格段に速くなります。活動電位そのものの大きさや発生の頻度は、細胞内外のイオン濃度差や刺激の強さ・受容器の性質によって決まるため、髄鞘の有無では説明がつきません。多発性硬化症のように髄鞘が壊れる疾患で伝導が遅れることも、この働きの裏づけになります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成