1か月後の定期受診のときに、A さんは「長男に私の病名と遺伝性の疾患であることを…
次の文を読み115〜117 の問いに答えよ。A さん(50 歳、男性、自営業)は妻(48 歳)、長男(23 歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT 検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症と診断された。A さんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。
1か月後の定期受診のときに、A さんは「長男に私の病名と遺伝性の疾患であることを伝えました。長男には何も症状はありませんが、発症前診断を受けて欲しいと思っています」と外来の看護師に話した。看護師のA さんへの対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 長男が脊髄小脳変性症についてどの程度知っているか確認することを勧める。長男の理解の程度を確かめることが、本人の自己決定を支える出発点になります。
- ⑵ 長男には症状がないので発症前診断では発症の予測はできないと説明する。発症前診断は原因遺伝子を調べるもので、発症の可能性を知ることはできます。
- ⑶ 両親の同意があれば長男が発症前診断を受けることができると説明する。長男は成人であり、本人の意思で決めるものです。親の同意では受けられません。
- ⑷ 長男が頭部CT 検査を受けることを勧める。頭部CTでは発症前の段階を判定できません。
解説
正解は⑴です。発症前診断は、本人が十分な情報を得たうえで自分の意思で決めるものです。まず長男が疾患についてどこまで知っているかを確かめ、そのうえで遺伝カウンセリングにつなげることが、本人の自己決定を支えることになります。成人であるため親の同意で受けられるものではありません。発症前診断は原因遺伝子を調べるもので予測は可能であり、頭部CTでは発症前の判定はできません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-03_04_05.html)を加工して作成