入院後3日。A さんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。A さんは自ら…
次の文を読み97〜99 の問いに答えよ。A さん(82 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉型認知症で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉に入所している。息子は仕事が忙しいため、2か月に1回面会に来所する。A さんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。A さんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。身体所見:体温37.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82 mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8 kg。検査所見:Ht 40 %、白血球9,800/μL、尿素窒素25 mg/dL。Na 150 mEq/L、尿比重1.030。
入院後3日。A さんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。A さんは自ら水分を摂ることはなかったが、看護師がお茶を勧めると、少量ずつ摂取している。体重47 kg。A さんの尿の性状は淡黄色で尿臭はなく、血液検査データは改善して基準値となったため、点滴静脈内注射が中止となり、退院が決まった。A さんが外来受診時と同じ状態を起こさないために、看護師が介護職員に伝える予防策で適切なのはどれか。
- ⑴ 室温は30 ℃に保つ。室温が高すぎると、汗で水分を失います。
- ⑵ 8g/日の食塩を摂取する。塩分を増やす必要は、ありません。
- ⑶ カフェインを含む水分を摂取する。カフェインには、尿を増やす働きがあります。
- ⑷ 熱の放散を抑制する衣類を選択する。熱がこもると、体温が上がってしまいます。
- ⑸ 食事を含めて1,300 mL/日の水分を摂取する。体重に見合った、1日の目安量にあたります。
解説
正解は⑸です。高齢者は渇きを感じにくく、自分から水分をとりにくいため、食事を含めて1日あたり体重1キログラムにつき25から30ミリリットルを目安にとってもらいます。体重47キログラムではおよそ1,300ミリリットルになります。室温を高く保つことや塩分の増量、熱をこもらせる衣類は、かえって危険です。関連する内容もあわせて確かめ、つながりで覚えておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp190415-03_04_05.html)を加工して作成