この経過において助産師の注意義務違反にあたる可能性のある行為はどれか。
次の文を読み53〜55 の問いに答えよ。Aさん(35 歳、初産婦)。妊娠39 週4日。「赤ちゃんの動きがいつもに比べ少ないように思う」と電話連絡を助産師が受け、来院するように説明した。Aさんは夫に付き添われて来院した。来院時、体温36.5 ℃、脈拍91/分、血圧136/78 mmHg。分娩監視装置を装着したところ胎児心拍数は130〜140 bpm であった。内診所見は、子宮口1cm 開大、少量の出血がみられた。入院30 分後に胎児心拍数が60〜70 bpm に低下し、体位変換をしたが回復しないため、助産師は酸素投与を行った。5分後に胎児心拍数が120〜130 bpm に回復したため、経過観察した。30 分後に遅発性一過性徐脈が出現したため、初めて医師に連絡をした。
この経過において助産師の注意義務違反にあたる可能性のある行為はどれか。
- ⑴ 電話を受けたときに医師に連絡しなかった。この時点では、まだ異常は確認されていません。
- ⑵ 来院時の状況を医師に連絡しなかった。来院時の心拍数は、正常範囲にありました。
- ⑶ 入院30 分後に胎児心拍数が低下したときに医師に連絡しなかった。高度徐脈が回復せず、報告すべき場面でした。
- ⑷ 医師に連絡せずに酸素投与を行った。臨時応急の手当てとして、行うことができます。
解説
正解は⑶です。胎児心拍数が60から70bpmまで下がり、体位を変えても回復しない状態は高度徐脈であり、常位胎盤早期剝離などの重い異常を示します。この時点で速やかに医師へ報告しなかったことが、注意義務違反にあたる可能性があります。電話を受けたときや来院時の心拍数は正常範囲にあり、ただちに報告する必要はありませんでした。酸素投与は臨時応急の手当てとして助産師が行うことができます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-03.html)を加工して作成