A さんの症状から考えられるのはどれか。
次の文を読み54、55 の問いに答えよ。A さん(71 歳、女性)は現在夫と2 人暮らしで、2 人の子どもは独立している。朝のウォーキングを日課にしている。閉経して20 年が経過した。子宮がん検診で来院した際に「少し恥ずかしい話なのですが、最近、腟の中が痒くて熱い感じがします。それに、たまに夫に性交を求められても、痛くて困っています」と静かに話し「我慢すれば症状が治まると思う」と言う。外陰部に発赤や潰瘍はみられず、性器出血はない。
A さんの症状から考えられるのはどれか。
- ⑴ 子宮腫瘍子宮腫瘍では不正性器出血が主な症状です。出血はなく、症状の説明がつきません。
- ⑵ 卵巣腫瘍卵巣腫瘍では腹部膨満や圧迫症状が問題になります。腟のかゆみや性交痛は説明できません。
- ⑶ 萎縮性腟炎エストロゲンの減少による腟粘膜の萎縮と乾燥で、かゆみ・熱感・性交痛が生じます。
- ⑷ 性器ヘルペス性器ヘルペスでは外陰部に痛みを伴う水疱や潰瘍がみられます。所見と合いません。
解説
正解は⑶です。閉経から20年が経ち、エストロゲンの減少によって腟の粘膜が薄く乾燥し、自浄作用も弱まった状態が萎縮性腟炎です。腟のかゆみや熱感、性交時の痛みが典型的な症状で、外陰部に発赤や潰瘍がないこととも矛盾しません。子宮腫瘍や卵巣腫瘍では不正性器出血や腹部膨満が問題になり、性器ヘルペスでは外陰部に強い痛みを伴う水疱や潰瘍がみられます。年齢と閉経からの期間が診断の手がかりになります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-03_04_05.html)を加工して作成