A さん(42 歳、初産婦)は順調な妊娠経過であったが、妊娠38 週の妊婦健康診…
A さん(42 歳、初産婦)は順調な妊娠経過であったが、妊娠38 週の妊婦健康診査で妊娠高血圧症候群と診断されたため、分娩誘発で経腟分娩した。産褥1 日、突然「胃のあたりが痛い」と訴え、苦悶様表情を浮かべている。意識は清明で呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧160/104 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98 %(room air)である。直ちに行うべき検査はどれか。
- ⑴ 頭部CT 検査意識は清明で麻痺もなく、まず疑うべきは頭蓋内病変ではありません。
- ⑵ 血液ガス分析SpO2は98%で呼吸状態は保たれており、血液ガス分析を優先する状況ではありません。
- ⑶ 肝機能の血液検査心窩部痛はHELLP症候群の典型的な症状で、肝酵素や血小板を調べて診断を確かめます。
- ⑷ 胸部エックス線撮影呼吸器症状はなく、胸部エックス線撮影を優先する根拠がありません。
- ⑸ 上部消化管内視鏡検査胃潰瘍などを疑って内視鏡を先に行うと、HELLP症候群の診断と治療が遅れます。
解説
正解は⑶です。妊娠高血圧症候群の産褥早期に、心窩部痛や右季肋部痛が突然現れた場合はHELLP症候群を疑います。HELLP症候群は溶血・肝酵素の上昇・血小板減少を特徴とし、肝被膜下血腫や破裂、播種性血管内凝固へ進むこともあるため、ただちに肝機能を含む血液検査を行って診断を確かめます。上部消化管内視鏡検査や胸部エックス線撮影を先に行うと、治療の開始が遅れてしまいます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-03_04_05.html)を加工して作成