A さん(32 歳、初産婦)は40 週4 日で3,200 g の男児を正常分娩で…
A さん(32 歳、初産婦)は40 週4 日で3,200 g の男児を正常分娩で出産し、母児同室で過ごしている。産後3 日の夜、助産師に「授乳するたびに右の乳首が痛くて我慢できません」と話した。観察すると両乳房とも緊満しており、右乳頭はやや短めで10 時~12 時の方向に損傷を認めた。痂皮が形成されており、出血はない。児の口腔内に異常は見られず、本日の体重は3,050 g である。助産師がA さんに行うケアで適切なのはどれか。
- ⑴ 縦抱きでの授乳姿勢を勧める。抱き方を変えても乳輪が硬いままでは深く吸着できず、乳頭の損傷は続きます。
- ⑵ 乳頭の乾燥を図り、日光に当てる。乳頭の傷は適度な湿潤を保つほうが治りが早くなります。乾燥させると治癒が遅れます。
- ⑶ 授乳前に乳輪をほぐすよう搾乳する。乳輪をやわらかくして深い吸着ができるようにする方法で、損傷の原因そのものに働きかけます。
- ⑷ 夜間は人工乳を補足してA さんを休ませる。体重の減り方は生理的な範囲で、人工乳の補足は必要ありません。授乳が減ると緊満が長引きます。
解説
正解は⑶です。乳房が緊満して乳輪が硬いと、児が乳輪まで深くくわえられず、乳頭の先だけを吸うことになって損傷が起こります。授乳前に乳輪の周りを指でやわらかくほぐし、少し搾乳して緊満を和らげると、深い吸着ができて痛みが軽くなります。抱き方を変えるだけでは吸着の浅さは直りません。乾燥させると治りが遅れ、夜間の人工乳の補足は乳房の緊満を長引かせてしまいます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-03_04_05.html)を加工して作成