その後、A さんは胎児心拍が確認されて順調な妊娠経過をたどった。妊娠32 週の妊…
次の文を読み36~38 の問いに答えよ。A さん(25 歳、女性、会社員)は、2 日前に市販の妊娠反応検査薬が陽性だったため、産婦人科クリニックを受診した。学生時代からマラソンを続け、現在も社会人選手として毎日トレーニングをしている。身体所見:身長162 cm、体重43 kg。月経周期:初経は17 歳だったが、周期は不規則で1 年近く無月経だったこともある。超音波検査所見: 子宮内に10 mm の胎囊は確認できたが、胎芽・胎児 および心拍動は確認できず、受胎日も特定できなかった。
その後、A さんは胎児心拍が確認されて順調な妊娠経過をたどった。妊娠32 週の妊婦健康診査で助産師外来を受診したA さんは「最近、赤ちゃんがよく動くんです。そのたび下腹が張ってトイレに行きたくなります」と話している。助産師がLeopold〈レオポルド〉触診法を行った。触診の所見:第1 段 子宮底に浮球感がある。第2 段 母体左側に児背がわずかに触れる。羊水量は中程度。右臍棘線中央付近で胎児部分を触れ、胎動に伴って腹部に弱い緊張感が出現する。第3 段 子宮底より小さく胎児部分を触れる。第4 段 骨盤内へ胎児部分の嵌入はない。この所見から助産師が行う生活上の助言で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 「キーゲル体操をやってみましょう」キーゲル体操は骨盤底筋を鍛える運動で、胎位を整えることとは関係しません。
- ⑵ 「帝王切開になる可能性も考えておきましょう」妊娠32週の骨盤位はまだ自然に戻ることが多く、この段階で帝王切開を示唆するのは早すぎます。
- ⑶ 「休むときは右側を下にして横になりましょう」児背と反対の右側を下にして休むことで、骨盤位の児が回転しやすくなるとされています。
- ⑷ 「冷えを防止するために靴下は2 枚履きましょう」冷え対策としては意味がありますが、骨盤位に対する助言にはなりません。
解説
正解は⑶です。子宮底に浮球感があり、骨盤側に小さな胎児部分を触れ、嵌入もないという所見は骨盤位を示しています。児背は母体の左側にあるため、児背と反対側である右を下にした側臥位で休むと、児が回転しやすくなるとされています。これは胎位を整えるために勧められる方法です。キーゲル体操は骨盤底筋を鍛えるもの、靴下の重ね履きは冷え対策で、いずれも胎位には関係しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成