A さん(22 歳、初妊婦)は、妊娠前に外陰部の腫瘤を自覚していたが、自然に消失…
A さん(22 歳、初妊婦)は、妊娠前に外陰部の腫瘤を自覚していたが、自然に消失したという。産婦人科の初診時に梅毒血清反応と梅毒トレポネーマ抗体血清検査を行ったところ、いずれも陽性であった。A さんへの治療で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- ⑴ ペニシリン系抗菌薬を投与する。梅毒の治療の第一選択で、妊娠中も安全に使用でき、先天梅毒の予防につながります。
- ⑵ 妊娠12 週以降に治療を開始する。診断がついた時点で速やかに始めます。開始を遅らせると先天梅毒の危険が高まります。
- ⑶ 治療効果の判定は梅毒血清反応で行う。抗体価の低下で効果を判定します。トレポネーマ抗体は治癒後も陽性が続き判定に使えません。
- ⑷ 陰圧室に隔離して治療を行う必要がある。梅毒は空気感染しません。陰圧室に隔離する必要はありません。
- ⑸ 外陰部に副腎皮質ステロイド軟膏を塗布する。副腎皮質ステロイド軟膏は治療になりません。全身の抗菌薬治療が必要です。
解説
正解は⑴と⑶です。妊娠中の梅毒の治療にはペニシリン系抗菌薬を用い、診断がついた時点で速やかに開始します。治療が遅れるほど先天梅毒の危険が高まるため、妊娠12週まで待つ必要はありません。治療の効果は、カルジオリピンを抗原とする梅毒血清反応(RPRなど)の抗体価が下がるかどうかで判定します。梅毒トレポネーマ抗体は治癒後も陽性が続くため判定には使えません。空気感染しないので隔離は不要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成