このときの対応で正しいのはどれか。
次の文を読み44~46 の問いに答えよ。A さん(39 歳、1 回経産婦)、妊娠経過は順調で無痛分娩をする予定だった。妊娠37 週1 日、3 時間前から続く腹痛と性器出血を主訴に、午前9 時に産婦人科を受診した。意識は清明だが、痛みのため苦悶様の表情で、子宮は硬い。バイタルサインは、体温37.3 ℃、脈拍69/分、整、血圧114/72 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97 %(room air)。内診所見は、未破水、子宮口3 cm 開大、展退度50 %、Station -1、児頭が触れた。胎児心拍が消失しており胎児死亡と診断された。このときの腹部超音波断層法写真(別冊No. 1)を別に示す。
このときの対応で正しいのはどれか。
- ⑴ 飲水を促す。緊急手術になる可能性があり、誤嚥を避けるため飲水は促しません。
- ⑵ 抗菌薬の準備をする。感染を示す所見はなく、抗菌薬の準備が優先される場面ではありません。
- ⑶ 分娩誘発の準備をする。母体の状態が安定しており、速やかに分娩を終えることが凝固障害の進行を防ぎます。
- ⑷ 硬膜外麻酔の準備をする。凝固能が低下している可能性があり、確かめないまま硬膜外麻酔の準備はできません。
解説
正解は⑶です。常位胎盤早期剝離による子宮内胎児死亡では、母体の状態が安定し出血や凝固障害が進んでいなければ、経腟分娩を目指して分娩誘発を行います。すでに子宮口は3 cm開大しており、速やかに分娩を終えることが母体の播種性血管内凝固を防ぐことにつながります。手術になる可能性があるため飲水は促さず、感染の所見がないため抗菌薬も優先されません。硬膜外麻酔は凝固能を確かめてから判断します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成