出生した児は男児で出生体重3,650 g。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8…
次の文を読み50、51 の問いに答えよ。A さん(32 歳、初産婦)。病院の産婦人科で、妊婦健康診査を受けていた。合併症はなく、妊娠経過および胎児の発育は順調であった。既往歴に特記すべきことはない。妊娠40 週3日、自宅で陣痛発来および破水を認めたため、産婦人科病棟に入院した。胎児推定体重は3,400 g。羊水混濁は認めない。子宮口が全開大後、胎児心拍数陣痛図にて高度遅発一過性徐脈を認めたため、吸引分娩による急速遂娩を行うこととなった。
出生した児は男児で出生体重3,650 g。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5 分後9点。出生後2時間、児の診察を行ったところ、全身状態は良好だが、左側頭部から耳朶にかけて膨隆を認めた。膨隆は波動を触れて軟らかく、冠状縫合を超えて隆起していた。今後の児の継続観察で注意する所見はどれか。
- ⑴ 頭囲拡大出血の進行を、頭囲の変化で捉えることができます。
- ⑵ 早発黄疸黄疸は後から問題になりますが、まず出血を観察します。
- ⑶ 胆汁性嘔吐胆汁性嘔吐は、消化管の通過障害を示す所見です。
- ⑷ チアノーゼチアノーゼは、呼吸や循環の異常を示す所見です。
- ⑸ 顔面神経麻痺顔面神経麻痺は、鉗子分娩などで生じる損傷です。
解説
正解は⑴です。波動を触れる軟らかい膨隆が縫合を越えて広がっていることから帽状腱膜下血腫と考えられます。腱膜の下には大量の血液がたまりうるため、出血の進行を頭囲の変化で捉えることが重要です。貧血やショックに至ることもあります。胆汁性嘔吐やチアノーゼ、顔面神経麻痺はこの病態の観察項目になりません。貧血の進行にも注意し、顔色や活気の変化を続けて観察していきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp190415-03_04_05.html)を加工して作成