50 歳の男性。尿検査の異常を指摘されて来院した。昨年の職場健診で尿検査の異常を…
50 歳の男性。尿検査の異常を指摘されて来院した。昨年の職場健診で尿検査の異常を初めて指摘されたが、医療機関を受診しなかった。今年の健診でも尿検査の異常を指摘されて受診した。身長172 cm、体重76 kg。血圧144/86 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:蛋白1 +、潜血2 +、尿蛋白/Cr 比0.90 g/gCr(基準0.15 未満)、沈渣に赤血球15~20/HPF、赤血球円柱を認める。血液所見:赤血球460 万、Hb 14.6 g/dL、Ht 40 %、白血球7,300、血小板25 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、アルブミン4.0 g/dL、AST 24 U/L、ALT 30U/L、LD 155 U/L(基準124~222)、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL、eGFR 70.8 mL/分/1.73 m²、血糖98 mg/dL、HbA1c 5.8 %(基準4.9~6.0)、総コレステロール220 mg/dL、トリグリセリド140 mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 107 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、抗核抗体陰性、血清補体価(CH50)35 U/mL(基準30~40)。腹部超音波検査で腎臓に異常を認めない。患者への説明で適切なのはどれか。
- ⑴ 「尿細胞診を検討しましょう」赤血球円柱を伴う糸球体性血尿であり、尿路上皮癌を疑う尿細胞診の優先度は低いです。
- ⑵ 「腎臓専門医に紹介しましょう」蛋白尿と糸球体性血尿を認め、腎臓専門医への紹介が推奨されます。
- ⑶ 「早朝尿で検尿を再検査しましょう」既に2年連続で異常があり、再検で方針は変わりません。
- ⑷ 「職場健診で経過をみていきましょう」糸球体腎炎が疑われ、健診での経過観察のみでは不十分です。
- ⑸ 「3 か月後に検尿を再検査して方針を決めましょう」専門医紹介の基準を満たしており、3か月待つ理由はありません。
解説
正解は⑵です。2年連続で尿蛋白と尿潜血の両方が陽性で、尿蛋白/Cr比0.90g/gCr、沈渣で赤血球の増加と赤血球円柱を認めることから、糸球体性血尿を伴う慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)が疑われます。CKD診療ガイドラインでは、尿蛋白0.5g/gCr以上、または蛋白尿と血尿がともに陽性の場合は腎臓専門医への紹介が推奨されています。腎生検で確定診断を行い、治療方針を決定します。経過観察のみでは不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成