生後30 分の男児。新生児仮死のためNICU に入院した。妊娠経過は問題なかった…
生後30 分の男児。新生児仮死のためNICU に入院した。妊娠経過は問題なかった。在胎39 週5 日、体重3,300 g。常位胎盤早期剝離のため緊急帝王切開で出生した。Apgar スコア1 点(1 分)、3 点(5 分)、5 点(10 分)であった。新生児蘇生術が行われ、現在は人工呼吸療法中である。傾眠状態である。体温36.8 ℃。心拍数160/分、整。呼吸数50/分(呼吸器設定:換気回数50/分、FIO2 0.3)。SpO2 96 %。心音は異常を認めず、呼吸は努力呼吸を認める。四肢の筋緊張は低下している。吸啜は認めない。外表に形態異常は認めない。臍帯動脈血のpH は6.9 であった。適切な治療はどれか。
- ⑴ 交換輸血交換輸血は高ビリルビン血症などに行う治療で、本例の適応ではありません。
- ⑵ 低体温療法低酸素性虚血性脳症に対し、生後6時間以内に低体温療法を開始します。
- ⑶ 一酸化窒素投与一酸化窒素吸入は新生児遷延性肺高血圧症に用いる治療です。
- ⑷ 胸腔ドレナージ気胸の所見はなく、胸腔ドレナージの適応はありません。
- ⑸ 肺サーファクタント気管内投与正期産児で呼吸窮迫症候群を示唆する所見はなく、サーファクタントは不要です。
解説
正解は⑵です。常位胎盤早期剥離による重症新生児仮死で、Apgarスコアが10分でも5点と低く、臍帯動脈血pH 6.9の重度アシドーシス、傾眠、筋緊張低下、吸啜反射の消失がみられ、中等症以上の低酸素性虚血性脳症が考えられます。在胎36週以上で生後6時間以内に開始できる場合、低体温療法(33〜34℃で72時間)が神経学的予後を改善するとされ、適応となります。三次施設で集中治療を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成