ソクマル医師

75 歳の女性。腹痛と嘔吐を主訴に来院した。2 日前から排便と排ガスがなく、徐々…

75 歳の女性。腹痛と嘔吐を主訴に来院した。2 日前から排便と排ガスがなく、徐々に腹部膨満が出現してきた。今朝から腹痛と嘔吐が出現したため受診した。既往歴は骨粗鬆症で治療中である。3 年前に子宮筋腫で子宮全摘術を受けた。喫煙は20 本/日を30 年間。飲酒は日本酒1 合/日を30 年間。意識は清明。身長160cm、体重75 kg。体温36.9 ℃。脈拍112/分、整。血圧148/74mmHg。SpO2 97 %(room air)。①腹部膨隆を認める。②腹部全体に軽度の圧痛を認めるが、③反跳痛を認めない。④筋性防御を認めない。⑤左股関節の伸展、外転により下肢の痛みやしびれを認める。直腸指診で異常を認めない。血液所見:赤血球410 万、Hb 13.0g/dL、Ht 40 %、白血球9,600、血小板27 万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL、アルブミン3.0 g/dL、AST 25 U/L、ALT 15 U/L、尿素窒素35 mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL。CRP 2.5 mg/dL。腹部単純CT(別冊No. 8A、B)を別に示す。下線部のうち、この患者の腸閉塞の原因に特徴的な所見はどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑸です。閉鎖孔ヘルニアはやせた高齢女性に多いとされますが、本例でも高齢女性の腸閉塞で、閉鎖孔ヘルニアの嵌頓が考えられ、CTでは恥骨筋と外閉鎖筋の間に脱出した腸管がみられると考えられます。閉鎖孔ヘルニアでは、嵌頓した腸管が閉鎖神経を圧迫するため、大腿内側から膝にかけての疼痛やしびれが生じ、股関節の伸展・外転・内旋で増強します。これをHowship-Romberg徴候と呼び、本症に特徴的な所見です。診断後は緊急手術を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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