28 歳の男性。血便を主訴に来院した。2 週間前から血液が混じった下痢が出現した…
28 歳の男性。血便を主訴に来院した。2 週間前から血液が混じった下痢が出現したため受診した。排便回数は1 日3 回、便に少量の血液が混じっていた。身長170 cm、体重58 kg。体温36.8 ℃。脈拍72/分、整。血圧130/80mmHg。腹部は平坦、軟で圧痛を認めず、腸雑音はやや亢進していた。直腸指診で少量の粘血便を認める。赤沈8 mm/ 1 時間。血液所見:赤血球468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球4,800。下部消化管内視鏡検査を行ったところ、直腸からS 状結腸にかけての粘膜は微細顆粒状で、血管透見像は減少しており、発赤および粘液付着を認めた。生検組織の病理検査で好中球の陰窩内への浸潤と杯細胞の減少を認めた。この患者に対する初期治療で投与すべき薬剤はどれか。
- ⑴ 抗菌薬感染性腸炎ではなく、抗菌薬は潰瘍性大腸炎の標準治療ではありません。
- ⑵ 免疫抑制薬免疫抑制薬はステロイド依存例や難治例に用います。
- ⑶ 生物学的製剤生物学的製剤は中等症から重症の難治例に用います。
- ⑷ グルココルチコイドグルココルチコイドは5-ASA無効例や中等症以上で用います。
- ⑸ 5-アミノサリチル酸製剤〈5-ASA〉軽症の潰瘍性大腸炎の寛解導入には5-ASA製剤が第一選択です。
解説
正解は⑸です。若年男性の2週間続く粘血便で、内視鏡で直腸からS状結腸にかけて連続性に微細顆粒状粘膜、血管透見像の消失、発赤がみられ、生検で陰窩膿瘍と杯細胞の減少を認めることから、潰瘍性大腸炎と考えられます。排便回数は1日3回で全身症状もなく軽症の左側大腸炎型です。軽症から中等症の寛解導入には5-アミノサリチル酸製剤(経口や坐剤・注腸)が第一選択です。効果不十分であればステロイドなどを追加します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成