58 歳の男性。残便感を主訴に来院した。6 か月前から残便感を自覚し、持続するた…
58 歳の男性。残便感を主訴に来院した。6 か月前から残便感を自覚し、持続するため受診した。便は兎糞状であり、排便回数は3 日に1 回程度である。毎回強くいきんで排便しているが、排便後も残便感が持続する。既往歴に特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。直腸指診で異常を認めない。下部消化管内視鏡検査で異常を認めない。適切な対応はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 安静指示安静は腸管運動を低下させ、便秘を悪化させるおそれがあります。
- ⑵ 抗菌薬投与感染症ではなく、抗菌薬は便秘の治療になりません。
- ⑶ 定期的な浣腸浣腸は頓用にとどめ、定期的な使用は依存や直腸の感受性低下を招きます。
- ⑷ 浸透圧性下剤投与浸透圧性下剤は便を軟らかくし、慢性便秘症の薬物療法の第一選択です。
- ⑸ 食物繊維摂取の推奨食物繊維の摂取は便の量と水分を増やし、生活習慣改善として推奨されます。
解説
正解は⑷と⑸です。兎糞状の硬便、排便回数の減少、強いいきみ、残便感が6か月続いており、内視鏡や直腸指診で器質的疾患を認めないことから、機能性便秘(慢性便秘症)と考えられます。慢性便秘症診療ガイドラインでは、まず食物繊維の摂取などの生活習慣の改善を行い、薬物療法では酸化マグネシウムやポリエチレングリコールなどの浸透圧性下剤が第一選択とされています。浣腸は頓用で用い、習慣的な使用は避けます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成