71 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。3 日前から歯痛と咽頭痛があり、2日前…
71 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。3 日前から歯痛と咽頭痛があり、2日前から頸部の痛みと腫脹を伴い、昨夜から前胸部痛と呼吸困難を自覚したため受診した。既往歴に高血圧と2 型糖尿病がある。体温38.9 ℃。脈拍100/分、整。血圧88/60mmHg。呼吸数28/分。SpO2 91 %(room air)。頸部に圧痛と腫脹を認める。血液所見:白血球15,500。CRP 32 mg/dL。胸部造影CT(別冊No. 33)を別に示す。適切な治療はどれか。 2 つ選べ。
- ⑴ 抗菌薬投与嫌気性菌を含む混合感染を想定した広域抗菌薬を速やかに投与します。
- ⑵ 放射線治療腫瘍性疾患ではなく、放射線治療の適応はありません。
- ⑶ 抗癌化学療法感染症であり、抗癌化学療法は免疫を低下させ有害です。
- ⑷ グルココルチコイド投与重症感染症に対するグルココルチコイドは感染を悪化させる可能性があります。
- ⑸ 頸部・縦隔ドレナージ術膿瘍の排膿のため頸部・縦隔ドレナージを早期に行うことが救命に必要です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。歯痛と咽頭痛に続いて頸部の痛みと腫脹が生じ、さらに前胸部痛と呼吸困難、ショック傾向を来しており、歯性感染や深頸部感染が縦隔に波及した降下性壊死性縦隔炎と考えられます。糖尿病は重症化の危険因子です。致死率が高い疾患で、嫌気性菌を含む混合感染を想定した広域抗菌薬の投与と、頸部および縦隔の膿瘍に対する外科的ドレナージを速やかに行う必要があります。抗菌薬だけでは救命が困難です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成