57 歳の男性。突然生じた激しい頭痛を主訴に救急車で搬入された。数日前から軽度の…
57 歳の男性。突然生じた激しい頭痛を主訴に救急車で搬入された。数日前から軽度の頭痛と複視、軽度の左眼瞼下垂を認めていた。既往歴に特記すべきことはない。頭部単純CT(別冊No. 13)を別に示す。破裂脳動脈瘤の部位として最も可能性が高いのはどれか。
- ⑴ 内頸動脈内頸動脈-後交通動脈分岐部の動脈瘤は動眼神経を圧迫し、眼瞼下垂と複視を起こします。
- ⑵ 前大脳動脈前大脳動脈(前交通動脈)瘤では動眼神経麻痺は通常起こりません。
- ⑶ 中大脳動脈中大脳動脈瘤は動眼神経から離れており、破裂すると片麻痺などを生じます。
- ⑷ 後大脳動脈後大脳動脈瘤は稀で、本例の動眼神経麻痺の原因として最も可能性が高くはありません。
- ⑸ 椎骨動脈椎骨動脈瘤では下位脳神経症状などを生じ、動眼神経麻痺は典型的ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。突然の激しい頭痛はくも膜下出血を示します。発症数日前から複視と左眼瞼下垂という動眼神経麻痺の前兆があったことが重要で、内頸動脈-後交通動脈分岐部の動脈瘤が拡大して隣接する動眼神経を圧迫したと考えられます。この部位の動脈瘤による動眼神経麻痺では、瞳孔散大を伴うことが特徴です。動眼神経麻痺を伴う場合は切迫破裂の徴候として緊急の評価が必要とされています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成