4 歳の男児。けいれんを主訴に救急車で搬入された。搬送される2 時間前に、両親に…
4 歳の男児。けいれんを主訴に救急車で搬入された。搬送される2 時間前に、両親に連れられて居酒屋で夕食を食べていた。突然、全身のけいれんを認めたため父親が救急車を要請した。病院到着時、けいれんは持続していた。体温36.5 ℃。心拍数170/分、整。血圧98/50mmHg。呼吸数40/分。SpO2 91 %(マスク5 L/分酸素投与下)。過去に食事によるアレルギー歴はない。呼吸音の減弱や喘鳴を認めない。皮疹を認めない。男児が摂取していた食事のうち、けいれんの原因で最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 枝豆枝豆は大豆アレルギーの原因にはなりますが、けいれんを起こす中毒物質は含みません。
- ⑵ 銀杏ギンコトキシンがビタミンB6を拮抗阻害してGABA合成を低下させ、けいれんを起こします。
- ⑶ マグロマグロは鮮度低下でヒスタミン中毒を起こしますが、症状は顔面紅潮や蕁麻疹で、けいれんは典型的ではありません。
- ⑷ 焼き鳥焼き鳥の加熱不足ではカンピロバクター腸炎が起こりますが、潜伏期は数日で、けいれんは起こしません。
- ⑸ ゆで卵鶏卵はアレルギーの原因になりますが、皮疹や喘鳴を欠く本例のけいれんの原因とは考えにくいです。
解説
正解は⑵です。食事後まもなく、アレルギー症状(皮疹・喘鳴)を伴わずに全身けいれんを起こした幼児で、居酒屋の食事という状況から銀杏中毒が最も考えられます。銀杏に含まれるギンコトキシン(4'-O-メチルピリドキシン)がビタミンB6の働きを阻害し、抑制性神経伝達物質GABAの合成が低下するため、けいれんや嘔吐を起こします。小児は少量でも発症しやすく、治療にはけいれん対策とビタミンB6(ピリドキサール)の投与を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成