38 歳の褥婦。産後1 か月の健診のため来院した。初めての児を1 か月前に経腟分…
38 歳の褥婦。産後1 か月の健診のため来院した。初めての児を1 か月前に経腟分娩した。体温36.5 ℃。脈拍80/分、整。血圧126/76mmHg。子宮復古は良好で、悪露は正常であった。母乳哺育を行っているが、うまくできているか心配でよく眠れない。本人、夫ともに兄弟姉妹はおらず、両親は他界している。最近、転居したため、周囲に親しい友人はいない。エジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉は14点(基準8 点以下)であった。児は、出生体重3,096 g、発育は順調である。適切な対応はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 抗精神病薬を処方する。産後うつ病が疑われますが、精神病症状はなく、抗精神病薬の処方は適切ではありません。
- ⑵ 精神科への受診を提案する。EPDS高値で産後うつ病が疑われるため、精神科への受診を提案するのが適切です。
- ⑶ 児と分離することを目的に本人を入院させる。自傷や他害のおそれはなく、母子分離を目的とした入院は不要です。
- ⑷ 本人の同意を得て市町村に患者情報を伝える。支援者が乏しいため、本人の同意を得て市町村に情報を伝え、地域の支援につなげます。
- ⑸ 母乳哺育を中止し人工乳哺育にするように指導する。母乳哺育を中止させる理由はなく、本人の希望を尊重します。
解説
正解は⑵と⑷です。初めての出産から1か月後の褥婦が、育児への不安で眠れず、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)が14点と高値です。両親が他界し、きょうだいもなく、転居で周囲に頼れる人がいないなど社会的支援も乏しく、産後うつ病が疑われます。精神科への受診を提案するとともに、本人の同意を得て市町村(母子保健担当、こども家庭センター)に情報を提供し、産後ケア事業や訪問支援につなげることが適切です。母乳哺育の中止や母子分離の入院は必要ない点に注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成